都会の元OL、信州移住で薪ストーブと出会う(2)〜煙に巻かれる!〜
スイッチを押せば室温調節。「どういう仕組みで、どう動くから、結果としてこうなる」という事を特に気にしなくても、エアコンは丁度いい温度に調節してくれます。
しかし・・・薪ストーブは、そうはいきません。
薪を購入し、焚き付け用の小枝も用意し、着火材も買って、あとは火をつけるだけ。引っ越して来たのが10月で、既に夜は5度以下になる日が続いていて、薪ストーブを使わなければ、十分な暖かさを得られない。だから急いで必要なものを揃え、平日の夫が帰宅する前の夕方、薪ストーブを初めて使うことにしました。
しかし・・・・。
もわもわもわもわ〜。
煙突を昇る筈の白い煙が、部屋の中へ戻ってきてしまうのです。
一体、何故???
少し前に、薪ストーブ店の人に試運転してもらった時は、何の問題も無かったのに!
まるで魚や肉を燻す時のような、濃厚なスモークの香りが、部屋いっぱいを充満していきます。白い煙に巻かれた私や子供達は、鼻や喉や目までが痛くなってきました。
そして、半泣き状態で、薪ストーブ店へ、ヘルプ・コール!
そこで告げられたのは「窓をしっかり開けてください」という事でした。いえいえ、部屋の煙を外へ逃せとか、そういう対処の話ではありません。煙を煙突から外へ吐き出すためには、空気の流れを作る必要がある、ということなのです。
これは機密性の高い家ほど、起こりやすい事象でした。室温が外に比べて高い場合、煙突から冷たい空気が落ちてきて、部屋の中に流れ込みます。そのままの状態だと、当然の事ながらストーブの煙が室内へ流れ込んできてしまいます。
ですから、それとは逆の流れを作ってやる必要があります。薪に火をつけて、煙突の下に置けば、暖かい空気が上へ昇ろうとしますが、室内の空気が動かないと上昇気流の勢いが弱くなり、上から落ちてくる冷たい空気の量に負けてしまいます。つまり、煙を押し上げるには、上昇気流に対する追い風が必要なのです。
方法としては、窓を開けて外の空気が室内へ入りやすい状況を作ってから、薪に火をつけて上昇気流を作る、という事でした。
少々寒いけれど、一番近い窓をしっかり開けてから着火。
すると、先ほどの事が嘘のように、簡単に煙は煙突を昇っていきました。成功です。
「空気の流れを作る」そう聞けば、確かにそういう事かと納得できます。しかし自分でそういう発想をすることは出来ませんでした。火を扱う、ということは、同時に空気を操作する必要がある、ということなんですね。
すごく原始的な話ですが、でもそれを知って、サバイバル力が少しだけ上がった気がしました・・・。
ちなみに壁の吸気口に管を取り付けて、直接薪ストーブに繋いでしまうなんていう方法もあるようです。確かにそうすれば更に効率良く部屋を暖めることが出来そう。
こちらの写真は、日曜日の朝の「木こり部」で夫が持ち帰ってきた薪です。これから出来るだけ日曜の朝は参加して、仕事に慣れていって、生産量も増やしていきたいと抱負を語ってくれました。期待してるよ!頑張れ〜!
(つづく)