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OIDEYOハウス(おいでよハウス): ピカピカと綺麗な人気の雷バッグは、まさにアート! 心を込めて糸を織り込んでいく織物は世界に一つのオンリーワン作品!!(上田市真田町傍陽)

更新: / 公開: 2012年8月15日 / 文責:

 

そんなOIDEYOハウスさんは、知的・身体・精神障がいをもった方々が集い活動する、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業所(生活介護)です。
2006年の制作開始以来、OIDEYOハウスといえば、雷グッズ(雷バッグ)と言われるほどになり、利用者さんが様々な色のビニールシールを貼った生地を、バッグや財布、ティッシュケースなどに加工しています。
最近は、色とりどりの糸を心を込めて織り込んでいく“織物”も人気です。

 

 

個性が光る雷バッグ

雷グッズ(雷バッグ)は、使用済みの米袋の上に、様々な色のビニールシールを貼ったものを生地にして、バッグや財布、ティッシュケースなどに加工したOIDEYOハウスの看板商品。そのアート性は、広く国内外で認められ、ニューヨーク近代美術館(MOMA)や東京新国立美術館のミュージアムショップで取り扱われているんです。

取材当時、作家さんは12人ほどいたのですが、本当に本当に、それぞれの作家さんによって作風が違っていて、まさにアートなんだなあと感じます。
そして、その魅力は、障がいがあるとか、ないとかの次元を越え、一人の人の作品であり、個人個人の感性そのものなんです。
中村まりさん(当時)は、ニコニコと障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業所です。な笑顔の女の子。その作品は、大きな柄からだんだんと細く小さな柄に、独特な色の変化をつけながら移っていきます。
一方、朴訥で真面目そうな高寺隆浩さん(当時)は、規則正しく並んだ格子のマス目の中を、感性の赴くままに独自の配色で埋めています。それは、まさにグリットによるミニマル・アートです。
ほかの皆さんも、それぞれに作風があり、趣が違い、独自の世界を持っています。
もともと雷グッズは、食事のお世話になっている業者さんから使用済みの米袋をいただいて、また、看板屋さんが使わなくなったビニールシールを持ってきてくださったときに、たまたまメンバーさんが、それを米袋にペタペタ貼っていったのが始まりだそうです。いわば、リサイクル素材による究極のエコ商品といえます。

ところで、なぜに雷グッズなのかというと、あのピカピカした感じもそうなんですが、「紙は“紙なりに”頑張っている」という意味合いもあるそうです。
松本市美術館、ホクト文化ホール、御代田町のカフェ「ル・パステ」さんなどで販売されています。

その雷バッグに次ぐ製品として最近になって登場したのが、色とりどりの糸を心を込めて織り込んでいく“織物”です。こちらも、製作する利用者さんの感性で選ばれた色の糸で織っていくので、世界に一つオンリーワンの製品に出会えます。バッグ財布携帯ケースカードケースティッシュケース携帯ストラップなど、柔らかな肌触りと温かな色合いが素敵で、持っていると、どこか心が安らぎます。

真田町で輪が広がるかりがね福祉会

OIDEYOハウスさんの運営母体は、上田市真田町に本部を置く社会福祉法人「かりがね福祉会」さんです。1979年に、知的障がい者の生活介護・生産活動の支援を行う入所事業所として「かりがね学園」(現・ライフステージかりがね)が開設されてから、一貫して地元・真田町を拠点にして福祉事業一筋に歩んできました。
この間、アトリエ活動に取り組む生活介護事業所「風の工房」、訪問サービスを提供する「在宅支援センター え〜る」、自分探しのお手伝いをする生活介護事業所「アトリエFuu」、仲間と過ごすグループホーム「共同生活サポートセンター」、重度障害者包括支援の「さなだの杜」、放課後等デイサービスの「ミライエ」、相談支援事業の「つつじ」、施設入所支援・生活介護・短期入所の「ライフステージかりがね」など、メンバーさん、それぞれの環境や要望に応える事業所を提供し続けているのです。
その中で、OIDEYOハウスは、就労には至らないメンバーさんに活動の機会を与える「就労継続支援B型(非雇用型)」の事業所として、2001年に開設され、『本気で働く!~自分らしさを生かし挑戦できる場所~』をモットーに運営されています。※現在は生活介護事業所です。
ネーミングはもちろん「誰でもおいでよ」という思いから。

今後は、より多くの方々と触れ合う機会を作ったり、雷バッグの制作ワークショップなどを企画して親しんでもらったりなど夢は広がっています。

お店からのヒトコト

OIDEYOハウスにおいでいただく利用者の皆様お一人お一人が、各種の事業を進めていくにあたって、それぞれに重要な役目を担い、参加できるような仕組みを作っていくことが、私たち事業所の役割だと思っています。そして、利用者さん一人一人の存在が、確かに社会と結び付いていることを感じられたときに、ご両親の安心につながるのだと思います。

そして重要なことは、それぞれの利用者さんが、安心した生活を送れるよう、ちゃんとした収益を上げ、工賃のアップを図ることです。
そのためには、消費者の皆様に本当に喜んでいただける加工品や製品を作り、目にしていただく機会を多く作っていかなければならないと思うんです。

いろいろと事業を進めるにあたっては、そこに関わる大勢の皆様のご理解とご協力をいただくことになりますので、感謝の気持ちを忘れないでいたいですね。とくに、真田地域の皆様には本当に暖かく迎えていただいています。

こうして、利用者さんがやりがいをもってもらえると嬉しいのですが、同時に、OIDEYOハウスが楽しく、居心地のいい場所でなくては意味がありません。そんな環境作りも私たちスタッフの大切な仕事ですね。

(担当・長谷川亜由美)

webサイト https://oideyohouse.karigane.or.jp/
電話番号 0268-73-0005
住所 〒386-2203 長野県上田市真田町傍陽8551-2