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じみじみおやつ:組み合わせた食材と生地の旨みがハーモニーを奏でる焼き菓子と旬の味わいを楽しめる生菓子(長野県松川村)

更新: / 公開: 2014年3月29日 ( ※ 古い情報です ) / 文責:

長野県松川村、西友松川店のそば、住宅街の中にある「じみじみおやつ」さんの自宅店舗兼工房におじゃましました。

住宅の入口に手作りの可愛らしい看板があり、庭に面したウッドデッキのあるお部屋がお店になっています。店主の藤丸邦子さんと夫の曜晶さんは、東京都西東京市から2013年5月に移住してきました。旅行で訪れた松川村のペンションに滞在したときに、そこで出会った人たちと、豊かな自然の中で育った食材に魅せられ、ここでお菓子を作りたいと、突然ひらめいたんだそうです。

店先に座り、お菓子を選びながら、これまでのいきさつなどをお二人からお聞きしていると、お陽さまがポカポカと気持ちよく、縁側でおしゃべりをしているかのように、ゆったりとした時間が過ぎていきます。

じみじみおやつさんでは、「地味だけど滋味豊かで素朴なおやつ」をコンセプトに、卵・乳製品・白砂糖は使わず、野菜・果物・豆腐・甘酒・きなこ・味噌など安曇野産中心の食材を練り込み、一つひとつ、じっくり手作りしたクッキーやビスケットといった焼き菓子と、旬を生かした生菓子が味わえます。

最初にいただいた焼き菓子「玉ねぎみそぼー」を一口かじると、味噌の風味がフワッと広がり、玉ねぎの香ばしさとあいまって絶妙な美味しさ。これはもう、ビールのおつまみにGood! 見た目が特に地味なので、最初は売れ残りの常連だったそうですが、じわじわその評判が高まり、いまや隠れた人気者なのだそうです。

次は「ひじき入りのクッキー」。ホワッとあの海の香りが漂った後に、噛めば噛むほど味わいが濃くなります。「豆乳ビスケット」も、始めに豆乳の風味が香るのですが、その後に何とも言えない美味しさが広がります。そうなんです。じみじみおやつさんの焼き菓子は、主な食材の味わいに加えて、組み合わせた食材と生地の旨みがハーモニーを奏で、焼き菓子としての美味しさを生み出しています。ひじき入りのクッキーも、実は、おからと組み合わせた美味しさだったのです。
ほかにも、可愛い「にんじんのうさぎビスケット」、意外な組み合わせがはまる「ごぼうとココアのビスケット」、ひときわ目をひく「抹茶の葉っぱビスケット」、健康的な「黒豆きな粉のビスケット」などがあります。
いずれも一袋100~300円と手頃な値段です。

さて、焼き菓子は、自宅店舗以外でも販売されているのですが、実は生菓子は、普段はここでしか味わえません。

今日は「りんごのビスケットパイ」をいただきました。りんごを煮た餡を包んだビスケット生地がサクサク。自然なりんごの甘みとシナモンとあいまって、これは美味! じみじみさんの生菓子の特長は、定番の食材と季節の食材とを組み合わせること。例えば、りんごのビスケットパイでは、秋に蒸したさつまいもを混ぜたり、普段はいちじくなど旬の果物の自家製ジャムを混ぜ込んでいる「さつまいものじみパウンド」も、冬には寒さ対策を兼ねて、甘く煮たしょうがを混ぜたりするんです。
旬の味を大切にしたいという邦子さんの心遣いなんですね。

また、特定の人のリクエストに応じて作ったものが商品化されることもあるそうです。例えば「チョコレートが大好きだったけど、健康上の理由で食べられなくなった。チョコを使わなくてもチョコケーキの雰囲気を味わえるおやつが食べたい」、ある方のそんな要望から誕生したのが「ショコラ・デ・じみタルト」。カカオマスやココアパウダーと豆腐を使って実現したとのことです。

邦子さんが本格的にお菓子を作り始めたのは、残業続きで体調を崩しがちな曜晶さんを気遣って、お弁当とおやつを作ったことがきっかけだったそうです。すると、曜晶さんの職場で「ヘルシーで美味しい」との評判が広がり、また、食べた人の感想が励みになったりして、おやつ作りの研究にも熱が入りました。以前から佐藤初女さんやマクロビオティックの本に出会ってはいたのですが、最初からそこにこだわったわけではなく、卵が食べられない甥子さんや食事療法をしているお友達に喜んでもらおうと作っているうちに、省けるものは省き、置き換えられるものは自然なものにするなどして、だんだんと今のスタイルになったとのこと。今でも日々新商品を開発中なのです。

そんな邦子さんを温かく、時に厳しく見守り、励まし、支えているのが曜晶さんです。「自分が良いと思った商品をセールスできて幸せです」とは、前職で営業マンだった曜晶さんの弁。邦子さんの夢の実現のお手伝いをしているというわけです。

じみじみおやつさんの焼き菓子の販売所
  • 道の駅 安曇野松川(TEL.0261-61-1200)
  • クラフトショップ安曇野(TEL.0263-88-5563)
  • 森の漢方薬局 芍薬堂(TEL.0263-88-5126)
  • 茶房 結庵(090-9660-5701)

お店からのヒトコト

昔は無茶苦茶な食生活をしていて何回か倒れたんですが、妻と結婚してから食生活が変わって健康になりました。仕事の実力発揮のためには健康でなければならず、健康のためには食事をしっかり摂らないといけないんだと体感したのです。まさに、佐藤初女さんが言うように「食はいのち」ですね。
藤丸曜晶

移住の大きなきっかけが人との出会いでした。おかげさまで、引っ越す前にいくつものご縁が生まれていたので、不安より楽しみの方が大きかったように思います。
いつも来店されたお客様と話の花が咲くんです。お子さんのこと、生活のことなどなど。将来はカフェなどやりたいのですが、皆さんが気軽に集まり、お菓子を通して人と人とがつながる縁結びの場所にしたいですね。
藤丸邦子

webサイト http://jimioya.exblog.jp/
電話番号 0261-85-2702
住所 〒399-8501 長野県北安曇郡松川村5722-87
営業時間 9:00頃~17:00頃
定休日 月・火・水曜日