【ヒトノユメ通信】アートプロジェクト「ヒトノユメ」展で設営された白い小屋が、小諸市のエコビレッジに移転
去る9月21日から 11月4日までの40日間、上田市の笠原工業常田館製絲場を中心に市内で、上田市在住の白井ゆみ枝さんの絵画、作家・作詞家である高橋久美子さん(元チャットモンチー)の詩で織り成すアートプロジェクト「ヒトノユメ」展が開催され、好評を博しました。
開催当初は、2人の知名度から県外からの見学の方は多かったものの、地元の方はチラホラという状況でしたが、心に伝わる何かを感じた人たちが、知り合いに薦め、その方たちが、また知り合いに薦めるというつながりの中で、少しずつ少しずつ、その数が増え、次第に大きなムーブメントになっていきました。
会期終了から約2か月がたちましたが、当時、笠原工業さんの中庭に設営されていた白い小屋を覚えていらっしゃいますでしょうか。その繭玉を思い起こさせるような建物が、小諸市のエコビレッジ(長野県小諸市甲4717)内に移転されました。これから福島で被災した子供達のためのワークショップの小屋として生まれかわる予定です。( 詳細は追ってお知らせします。)
「ヒトノユメ」展を思い出しながら、木々に囲まれた新しい環境の中に佇む様子を体感しに行ってみてくださいね。
さて、そんな中、「ヒトノユメ」展をふりかえって、高橋さんと白井さんのお二人と、会場を提供された笠原工業の取締役会長・笠原一洋氏からコメントをいただきました。
白井さんのお話
これまで行った4回の「ヒトノユメ」展の集大成が、今回の上田での展示でした。これまでで一番、長期間の開催で、後半になってお客様が増えましたね。一度に見切れずに何回か足を運んでくれた方もいて、その都度、感じ方が違うとおっしゃってくださって、うれしかったです。
私たちの作品って、ある種の隙間があるなって思うんです。だからこそ、上田の街とあわせて、歴史とあわせて、笠原工業さんの建物とあわせて、いろいろな見方をしてもらえたのではないかしら。作品を身近に感じたり、作者が何となくそこにいたり、今までの展覧会とは違う親しみやすさみたいなものを感じてもらえたのではないかとも思います。
期間中はボランティアの皆さんに本当にお世話になりました。ありがとうごさいました。
今回は、私の故郷での開催でしたが、自分の故郷だからこそ出せた力もあったし、それだけでは成し遂げられなかった何かもありました。ただ、自分の故郷に対する思いがこんなにあったんだ~と、改めて感じましたね。今後は、いま一度、絵の原点に帰ってm真田のアトリエで、作品を描き続けたいと思います。そうそう、高橋さんとの絵本の制作も進めていますので、お楽しみに!
高橋さんのお話
期間は長かったけど、1回、来てくれた方が、次は家族や彼氏とかと来てくれて、そういったつながりの中で、お客様が増えていきましたね。何回か見ていただくと、その都度、感じ方が違うみたいで、最多の方は、何と19回でした! ありがとうございました。
全体を通じて思うことは、いろいろな方々とお目にかかれましたね。地元の方々が、興味本位に、ふらっと入ってくることもあって、その方たちは、必ずしも2人のファンだったりはしないわけで、正直、大変だったこともあったんですが、そうでなければ出会えなかった新しい出会いがありましたね。だから、とっても楽しかった!
商店街とのコラボも、とっても良かった。お客様にいらしていただいたのは、間違いなく、そのコラボがあったからですね。商店街で見たことが面白くて、メイン会場まで流れてきてくださった方もいたし、逆に、来てくれたお客様が商店街で買い物してくれたりして、商店街の方々との絆ができましたね。差し入れも明らかに商店街のものが多かった!(笑)
県外の方は、ヒトノユメだけでなく、上田も好きになって帰っていきましたよ。
ヒトノユメ展は、いちおう一段落ですが、白井さんとは、今、2人で絵本を制作していて、まもなくお披露目できるかな? それと、私個人としては、今、長編の小説を書いているので、それを完成させるのが目標です。そうそう、作詞活動もメインなので、どこかで「作詞:高橋久美子」見つけてくださいね。それと、今回、久しぶりにドラムをたたいて楽しかったので、また面白い企画ができたらいいなあと思っています。
☆白井さんと高橋さんのお二人による絵本が出版される予定です。詳細は追ってお知らせします。
笠原氏のお話
最初、地元の白井さんからご依頼を受けたんですが、正直、お二人の展示が、私どもの文化財という施設に合うか不安だったんです。でも、明るいお二人の若いエネルギーに推される形で、会場をお貸ししました。そうしたら、これが悪くないんですね~。いや、面白い! どうしても私たちの世代が考えると、限られた発想になって、バラエティーが乏しくなってしまうんです。
そして会期を終えた今、白井さんと高橋さんに感謝の気持ちでいっぱいです。地域の方だけでなく、遠方からも私どもの施設に、そして、上田の街に、大勢の方が足を運んでくださいました。
そうそう、お二人はもちろんですが、ボランティアの若い方々も礼儀正しく、朝の挨拶など、素晴らしかったですね。文化財ということで、やはり管理に気をもみましたが、きれいに掃除してくれて、釘1本も打たないでくれました。
できたら、今回のような人の心に届く企画を今後も続けていけたらいいなと思います。お申し出をお待ちしています。
【笠原工業常田館製絲場の施設使用について】
施設が、国指定重要文化財および上田市指定文化財であることを踏まえた種々の条件を了承したうえで、使用が許可されます。使用を希望する方は、まずはお問い合わせください。
⇒ TEL:0268-22-1230(代表)