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cafe風香:天然の香りでさまざま効能の中国茶&素朴なスイーツ、玄米ごはん&無農薬野菜のランチでくつろぎの時間(長野県佐久市)

更新: / 公開: 2013年12月26日 / 文責:

佐久市中込の市役所近くに、香り豊かな中国茶や、玄米ごはんと無農薬野菜を使ったからだにやさしいお食事&スイーツをいただける「cafe風香」さんがあります。
旅行が趣味というオーナーの福士ご夫妻は、全国47都道府県すべてを訪れ、その素晴らしい風景や食べ物に触れているうちに、都心の生活からスローライフへシフトしたいと考えるようになり、佐久へ移住してきました。そして、信州の素晴らしさを感じながら、地域の人がホッと一息つけるような場所になればと、カフェをオープンされました。

カフェの扉を開けるとまず、靴を脱いでスリッパに履き替えます。それまでの時間や空間を、しばしリセットして、ゆっくりとくつろいでいただきたいという思いからなのだそうです。白を基調としたやわらかい印象の店内は、広くゆったりとしています。お店の半分は雑貨コーナー。福士さんご夫妻は以前アパレルの仕事をされていたというだけに、食器や小物、洋服がセンス良く置かれています。もう半分がカフェコーナーで、テーブルごとにおもてなしの心遣いを感じる花やプレートが置かれていて、窓辺はカウンター席になっています。
カフェの奥にある座り心地のよいソファの近くには、小さなお子さんが座って過ごせるミニテーブルや絵本が用意されたスペースもあります。

ランチに、玄米ごはんに地元の有機無農薬野菜と自然な調味料のみを使用した一汁三菜の「おひるごはんセット」(800 円)をいただきました。今日のメニューは、地元ブランド五郎兵衛米の玄米ごはん、味噌汁と蒸し野菜(カブ、カリフラワー、カボチャ、ネギ)、車麩の醤油含め焼き、漬物です。
蒸し野菜は、少量の天日塩をして蒸しただけで、素材そのものの甘みが引き立ち、口にしたときにやさしい滋味が広がります。野菜は農家さんが朝、届けてくださった新鮮なもの。車麩を醤油だれで焼いた香ばしさも食欲をそそります。味噌汁は、まろやかな出汁の味がここちよく、玄米ごはんを一口一口かみしめていると、食事のペースも自然とゆっくりになります。お肉などは入っていないのですが、もう十分にお腹いっぱいです。

食後には、もちろん中国茶。いただいたのは「貴妃茶」でした。
貴妃茶は、東方美人茶の技法(台湾産の烏龍茶の一種で、発酵度が高く、紅茶に近い味わいを持つ)に基づき、ウンカ(蚊の一種)という虫が噛んだ茶葉を、伝統的な凍頂烏龍茶の製法でしっかりと焙煎して作られる、オーガニックな天然発酵茶だそうです。
貴妃茶は、しっかりとした味わいと華やかな特有の香りを同時に楽しめる珍しいお茶です。

「とてもやさしい味で、例えば、日本茶を入れたときによくある渋みがほとんどありません。日本茶は、茶葉がブロークン(粉砕)してあるものが多く渋みが出やすいのですが、中国茶は茶葉をそのまま使用するので渋みは少ないんです」

とご主人の章さん。

丁寧に淹れていただいたお茶を楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごすことで、日常のスピードをふと緩められたような気がしました。そんな穴場的な居場所としてcafe風香さんをおすすめします。

ちなみに、「風香」という店名は、中国茶の天然の香り、信州のさわやかな四季折々の風の香り、そして奥様の名前が「かおり」さんということから名付けられたそうです。

さまざまな香りと味、心身への効能がある中国茶


中国茶の販売コーナー

中国茶の販売コーナー

貴妃茶

貴妃茶


プーアール餅茶

プーアール餅茶


台湾製の茶器

台湾製の茶器

日本で親しまれている緑茶は、産地は日本各地いろいろありますが、香りの違いはあまりないように思われます。
一方、中国茶は産地や茶葉によって香りも味もそれぞれ違いがあるのだそうです。種類もとても豊富で、気分や体調によっていろいろ選んで楽しむことができますし、アロマテラピーのような心身への効能も期待できる点が魅力なのだとか。

「中国茶って、中華料理店で食事するときなどに飲むくらいで、あまり馴染みがないですよね。そこで、もっと中国茶に気軽に親しんでいただけるカフェがあったらいいなと思って一念発起したんです」

とご主人。中国茶文化協会で勉強してアドバイザーの資格を取得されたそうです。

でもでも、勉強してみると中国茶は実に奥が深かったとのこと。香りも千差万別なら、食べ物に合わせたり、もともと薬用として用いられていたので効能も様々。熱い地方では体を冷ますお茶、体が冷えているときは温めるお茶を飲む習慣があったり、食後にエスプレッソのような濃いお茶を飲んで一気に食事の油を流すといった、からだや食事とのバランスを考えている医食同源のスタイルに感銘されたとの事。

そもそも中国茶は、その製法と品質の特性によって6つに大別できるそうです。

  • 緑茶:不発酵茶と呼ばれる発酵工程を入れないお茶で、爽やかな香りと味わいが特徴。 加熱の際に茶葉を釜炒りするのが主流で(日本茶の緑茶は蒸すのが主流)、中国茶全体の消費量の7~8割を占める
  • 黄茶:製法、工程はほぼ緑茶と同じもの、茶葉を乾燥させた後、発酵をさせるため後発酵茶とも呼ばれる。6つの中で、もっとも貴重な品。茶葉もお茶も淡い黄色で芳醇な味が特徴。
  • 白茶:茶葉の若葉、もしくは芽を選んで摘み、わずかに発酵させてから乾燥させた弱発酵茶。若葉の産毛が白く見えるところから白茶。 
  • 青茶:ある程度、発酵を進ませてから加熱処理を行った緑茶と紅茶の間の半発酵茶。自然な花の香りなど、香り高いのが特徴。烏龍茶は青茶の一種。
  • 黒茶:加熱処理した茶葉を熟成発酵させたお茶で、後発酵茶と呼ばれる。生茶を長期発酵させたものが珍重され、ワインのようなビンテージものがある。独特の風味があり、プーアル茶がその代表。
  • 紅茶:茶葉を100%発酵させる全発酵茶。甘くまろやかな味わいが特徴で、からだを温める効果がある。中国が発祥で、祁門、ウバ、ダージリンが現在の世界三大紅茶である。

中国茶は全部で数百種類ほどあると言われているそうですが、その中からcafe風香さんには常時15種類ほどが備えてあります。メニューにはそれぞれの特徴(香りや甘みなど)や効能(脂肪燃焼や冷えをとるなど)が丁寧に書かれていますので、自分の好みのお茶を選べます。でも、もし迷ってしまったら、ご主人に相談すると、豊富な知識で丁寧にアドバイスしてくれますよ。

お店で人気のお茶をご紹介
  • 蜜香紅茶(みっこうこうちゃ)
    蜂蜜のような香りと甘みを持つ日本では珍しい台湾の紅茶で、体を温め、ダイエット、美肌効果も期待できると、いま台湾で人気のお茶です。
  • 木柵鉄観音(もくさくてっかんのん)
    鉄観音は青茶の代表である烏龍茶の一種。その鉄観音の昔からの製法を今に伝える台湾は木柵地区に最初に植えられたとされるお茶。熟した果物のような、濃厚な香りが特徴的で美味しい。脂肪を分解する酵素が豊富で、冷え性にも効果的です。
  • 烏棟単叢蜜蘭香(うーとんたんそう みつらんこう)
    「烏龍茶の女王」と呼ばれる蜜蘭香の中でも、広東省の鳥棟山で栽培されるお茶。オーナーご主人のイチオシで、男性に一番好まれています。蘭の蜜の香りとライチのような爽やかな甘い香りに癒されます。血行促進、冷え性にも効果的です。

では、ここで、cafe風香さんでの中国茶のいただき方をご紹介しましょう。
お茶を注文すると、まず、専用の茶器セットが運ばれてきます。お茶の種類によって、長細いマグカップで提供されるものとミニサイズの茶壷(急須)と盃のような器のセットで供されるものがあります。
茶壷と盃のようなセットでは、まず、茶壷から茶海(お茶をいったん注ぐピッチャーのようもの)へお茶を移します。そして、そのお茶を細長い「聞香杯」という杯にいったん注いでから日本酒の盃に似た器(茶杯)に移し替えていただきます。このとき、空になった聞香杯に鼻を近づけてみると、ほんわりとやさしいお茶の香りがするんですよ~。お試しください。
お茶はお湯を足しながら何杯でも楽しめます。お湯のおかわりは気軽にご主人へどうぞ。

こうして、香りを楽しみ、飲んで味わうだけでなく、小さな器にお茶を注ぐ一連の動作もまた、ゆっくり手間をかけながら癒されていく時間となります。
親しい方とのおしゃべりを楽しみながら、お茶の飲み比べをするのもよいですし、ひとりで静かにゆっくりとくつろぐこともできますよ。

身体にやさしく安全な手作りランチとデザート


おむすびセット

おむすびセット
美味しい野菜たち
美味しい野菜たち


パウンドケーキ

パウンドケーキ
自然な味のスイーツ
自然な味のスイーツ
人気の「茶梅」
人気の「茶梅」

cafe風香の食事は、「おひるごはんセット」のほかに、玄米おむすびと小鉢のおかず、お味噌汁が付いた「おむすびセット」(500円)「玄米おかゆセット」(500円)があります。

奥様のかおりさん手作りのメニューは、肉、乳製品、卵、白砂糖などを使用していません。
かおりさんは以前、東京都内で働いていたときに、多くの人と行き交う中、不規則な生活を続けていたことから心身の不調を覚え、バランスを崩しかけたことがあったそうです。このままではいけないと、ご自身の生活を見直し、まずは食事に注目されたそうです。そんなとき図書館で目にとまったのが、『やさしいマクロビ生活』という一冊。肉類や甘いものの摂取が多いとイライラしてしまったり、闘争的になってしまいがちだという指摘が自身に当てはまると感じたので、玄米菜食や無添加の調味料、自然な糖類などを使った料理のレシピを独学で研究し、実生活に取り入れたところ、徐々に体調も回復したとのこと。そんな体験から、かおりさんは身体にやさしく安全な食事を提供しているんです。

食材として使う野菜は、オープン直前に参加した地域の会合でたまたま隣に座った方に「来月カフェをオープンするんですよ」と話したところ、なんと、その方が有機野菜農家さんで、分けていただくことになったのだそうです。また最近、佐久穂町へ移住してきた有機野菜農家・池田農場さんともご縁がつながり、来春から提供していただくことになったとのこと。
さらに、野菜の収穫期には、朝採れの新鮮野菜をお店で販売する予定だそうです。

ランチは11時半~ですが、その日のごはんがある限り、お昼時間を過ぎてもいただけます。おむすびセットは開店から閉店まで提供しているので、仕事帰りの男性客が、夕方に立ち寄っておむすびセットを食べていくなんてこともあるそうです。

そして手作りのスイーツも、もちろん乳製品、たまご、白砂糖などは使用していないのですが、やさしい甘みで十分満足できます。メニューは、日替わりスイーツを2品選べる「スイーツプレート」が500円。信州で採れる豊富な季節の果物やクルミなどを使用した「パウンドケーキ」(300円)、ゼリーやプリン、ぜんざいなどが季節ごとに日替わりで楽しめる「カップデザート」(300円)などです。また欲張りな「スイーツ全部のせ」(700円)も用意されていて、あれもこれも食べたくて迷ってしまう女性たちに大人気だそうです。

そして、そして実は人気のお茶うけがあります。それは、お茶を頼むと、お茶の脇の小皿についてくる、台湾で仕入れた「茶梅」なんです! 烏龍茶で漬けた甘い梅なんですが、お茶うけだけでなく、おやつに夜食にもピッタリだと思います。お店でも600円で販売もしているのですが、ファンも多くて、茶梅だけを買いに訪れるお客様もいるほどだそうです。

雑貨と手編み小物、洋服の展示・販売


まず目に入る雑貨コーナー

まず目に入る雑貨コーナー


可愛い小物が並ぶ

可愛い小物が並ぶ
手編みの作品も
手編みの作品も


木の優しい手触り

木の優しい手触り

カフェに入って、まず目にするのは、ガラスや陶器の器、アンティーク雑貨や洋服、かおりさんによる手編み小物などが、店内の広い空間と色合いを活かしてセンスよく展示されています。手編みものは、つい近づいて見入ってしまうほど、なんともかわいらしく、ほっこりするものばかりです。最近では100年前にイギリスで使われていたドアの一部を利用した一輪ざしや年代物の薬瓶、糸巻き棒などといったアンティーク雑貨も並び、素敵なものたちと出会える楽しみが増えました。
また、雑貨を展示している棚や窓にかかる布、店内の照明なども、欲しいというお客様にはすべて販売しているそうです。

「店内の品々は、私たちが旅先で気に入ったものを集めてきています。それを気に入ってくれた方へお譲りしたら、また旅先で新たなお気に入りを見つけてくる、そんな単に販売するための仕入れではなく、人から人へと循環していくのが素敵だと思うんです」

ランチを注文したお客様が、待っている間に雑貨を見に行って、気に入ったものをテーブルに持ってきてキープされ、食事を楽しんだ後にまとめてお会計ということもあったりするそうです。カフェの待ち時間も楽しんでもらえたり、また、雑貨をきっかけにお客様との会話が弾んだりして、雑貨のお店として利用されても素敵だと思います。

ちなみに、店内で使用するガラス茶器なども、ご主人が台湾で直接仕入れてきたものとのことですので、その風合いも楽しんでみてください。

今後は、広い店内スペースを、手編みや手芸のサークル活動に提供したり、ミニコンサートや中国茶教室など、人が集い、つながる場となるような企画を検討中とのことです。

夕焼けの美しい信州に移住

以前に奥様が体調を崩し、食によって体調を回復できたお話をしましたが、その姿を見てご主人は、食だけでなく、生活の拠点もできるだけ自然に近いところで過ごしたほうがいいのではないかと思うようになったそうです。で、思い立ったが吉日、新天地への移住の準備を始めました。

移住先を考える際の基準は「空気がおいしくて水がきれいな場所」。全国47都道府県を旅されたお二人ですが、中でも御代田町付近で電車から見た夕焼けの美しさがとても印象的だったので、その周辺で住む場所を探し始めたそうです。そのとき、佐久市内の物件情報を提供する「佐久市の空家バンク」も利用しました。その担当者さんが親身に相談に乗ってくれたことも決め手の一つだったのですが、実は最大のポイントがあったんです。
佐久市に移住候補地を下見に来る以前にTV番組「ガイアの夜明け」で空家バンクの特集が放映された事があったそうです。お二人は本編を見逃したものの、エンドロールに出ていた一軒の平屋の家が脳裏に焼き付いて、「あんな家に住めたらいいね」と理想のイメージになっていたんです。そして当日。見学に連れて行ってもらったのが、なんと、あの平屋の家だったというわけです。
これは自分たちのための家だ!  と即決したのは言うまでもありません。

このように、移住という夢や思いを実現するためには、その英断と素早い行動力が一番の原動力になると感じました。

こうして理想の家に住むことができ、地域に馴染んで心が満たされ、徐々に自分たちの生活リズムができあがってきた中で、現在のカフェを開く流れができてきたそうです。

cafe風香は、お二人が思い描いた人生に向かって進化し続けていくことでしょう。

お店からのヒトコト

人は千差万別なので、万人に合う食生活というものはありません。皆さんお一人おひとりが、健康であり続けるためには、ご自身の体調や好みに合う食生活を見つけていただきたいと思います。cafe風香でご提供するお食事やお茶が、食を考えるきっかけになっていただければ嬉しいです。
福士かおり

昔は今のように便利なものがなく、手間暇かけて生活していました。逆に現代の生活は、便利な反面、時間に追われています。そんな中で、ゆったりとくつろげる空間を提供したくて私たちはカフェを開きました。cafe風香にいる間は、それまでの時間をリセットしてお過ごしいただきたいと思います。そして、玄米菜食のお食事、中国茶やスイーツで癒される時間を楽しんでいただければうれしいです。
福士章

webサイト http://r.goope.jp/fu-ka
電話番号 0267-78-5215
住所 長野県佐久市中込3538-2 キリュウビル 1F
営業時間 10:00~18:00
定休日 毎週火曜日、第1、3月曜日
駐車場 あり