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食ママ倶楽部:いくさ(えごま)味噌やドレッシングなど、美味しくて栄養価の高い雑穀食品の開発。あわパフは鉄分たっぷりのダイエット&健康食(長野県小諸市)

更新: / 公開: 2012年9月15日 ( ※ 古い情報です ) / 文責:

地域の食材と子どもたちの食事について提案し、商品開発・販売をしている「食ママ倶楽部」の代表・高地清美さんにお話をうかがいに行くと、ちょっとした手料理を用意して待っていてくれました。

まず、いただいたのは“おはぎ”。でも、ゴマでもアンコでもありません。お味噌がかかったおはぎです。食べてみると、普通の味噌とは違います。粒々した食感に上品な甘みと、ふくよかで野趣ある味わいが、おはぎにピッタリ、美味しいんです。
で、その正体を尋ねると、それは「いくさ(えごま)味噌」とのことでした。
信州で“いくさ、えぐさ”と呼ばれている“えごま”は、シソ科の植物で、魚の油と同じαリノレン酸を含み、脳の活性化や血液サラサラに効果的で、アレルギーの方にもお薦めとのこと。
いくさ味噌は、いくさの実を煎ってからペースト状になるまですり、信州味噌の甘味噌、砂糖、酒を入れて練ったもの。香ばしさと甘さが特長です。
この味だったら、ほうれん草や小松菜なんかとあえても合いそうですし、煮た大根やコンニャクにもいいかなー。そうそう、焼おにぎりや野菜スティックも美味しそうです。

次にいただいたのは、ご自宅の畑で採れた新鮮野菜のサラダ。で、かかっていたのは、やはり、いくさ(えごま)のドレッシングでした。
いくさの実のペーストとすったいくさに、マヨネーズ、味りん、お酒、塩・コショウなどで作った「いくさ(クリーミー)ドレッシング」は添加物は一切なし。独特な香りと甘みを感じてクリーミー、だけど胡麻よりサッパリして後味スッキリなんです。
肉料理のソースやしゃぶしゃぶなどに使っても美味しいかも。

雑穀エキスパートという資格を持ち、こもろ雑穀プロジェクトのコーディネーターでもある高地さんは、

「昔、やせた土地や寒冷地などでは、粟(あわ)やヒエ、キビといった雑穀が多く作られていました。浅間山麓も明治時代までは粟の大産地で、小諸にも雑穀を使った伝統料理があります。そんな、食と農の文化を、もっと多くの皆様にも知っていただきたいですね」

そんなお話の後はデザート。板状のおこしのような焼き菓子です。ふわふわサクサクとした食感、豊かで包み込むような甘さは、ちょっと高級なお菓子を思わせます。なのに、実はその材料が、なんと粟(あわ)! 食ママ倶楽部では、粟をパフにした「あわパフ」、つまりは、ポン菓子のような状態にして販売しているのですが、これが人気となっています。お菓子加工のほかにも、朝食シリアルや牛乳粥、介護食、離乳食、ダイエットなど、いろいろな場面で利用されているそうです。

停車場ガーデンでの経験を生かし、食の大切さを伝える

スローフード協会の理事であり、食育インストラクター&栄養士でもある高地清美さんは、地元のスーパーマーケットのツルヤさんで販売促進課に属し、クッキングアドバイザーとして、料理教室の企画や料理カード作成、お店の応援などの仕事をした後、地元JAを経て、小諸駅前のカフェ&コミュニティスペース「停車場ガーデン」の運営に3年間、携わり、カフェの主任、物販のコーディネーターとして中心的存在でありました。この間、一貫して、地域の食材と料理の発掘、開発、提案、告知を進め、とくに、子どもたちにとっての食の大切さを訴えて、料理教室や体験学習などにも力を注いできました。

停車場ガーデンで今も味わえる「いくさ(えごま)しるこ」は、「小諸味作りの会」の皆さんと高地さんが一緒に研究・開発したものです。このお汁粉は、小豆を使わず、いくさ(えごま)の実を豆乳でのばし、隠し味に信州味噌の甘味噌を入れて作ります。独特な香りとコクが美味しさの秘密です。お餅も、小諸特産の白土ばれいしょで作った芋餅ということで、小諸名物として人気を集めています。

その後、こもろ雑穀プロジェクトのコーディネーターとして停車場ガーデンの事業に関わりながらも、これまでの集大成として「食ママ倶楽部」の活動を始めました。

「子どもたちへの食育は、とにかく食べてもらって、舌で覚えてもらうのが一番ではないかと思っています。ファストフードが全盛ですが、現在の食習慣では、子どもたちは食材本来の味を知らないのではないかと思うんです。知っているのは、トマトの味ではなくサラダ・ドレッシングの味であり、お肉の味ではなく焼肉のタレの味なんです。暑い畑でキュウリをかじる、その美味しさを体験して欲しいですよね」

と高地さん。

また、今は家族で食卓を囲む時間も少なくなっているとも高地さんは言います。食事を共にすれば、子どもの顔色も見えるし、子どもに悩みがあれば、食欲がなくなったりもする、そうすれば、何かあったの? と聞く機会もできるというのです。

なるほど!食の大切さ、改めて考えてみたいですね。

生活習慣病予防やアレルギー体質にいくさ(えごま)

昔は粟(アワ)、キビ、ヒエなどの雑穀と言えば、「貧しい」とか「まずい」の代名詞のように言われていましが、今は、その栄養価の高さ、例えば、ビタミン各種、カルシウムや亜鉛、鉄分などのミネラルや食物繊維を豊富に含むということで、一躍、健康食品として注目を浴びています。

えごまは、信州ではいくさ、えぐさ、東北地方では、ジュウネンなどと呼ばれています。えごまと言ってもゴマの仲間ではなく、シソ科の植物、つまりハーブの一種です。健康によい食材として、実や葉が利用されています。
その脂肪分の約60%は青魚と同じEPAのもととなる“αリノレン酸”。これは生活習慣病(がん・心臓病・脳梗塞)の予防に有効な脂肪酸です。また、神経疾患、アレルギー体質の改善にも効果があるとされる“ルテオリン”も多く含まれています。

食ママ倶楽部では、このえごまを扱った商品をいくつか開発し、販売しています。
その一つが「いくさ(クリーミー)ドレッシング」(600円)。停車場ガーデンのメニューで好評を博した、いくさ(えごま)のドレッシングを商品化したもので、香ばしいいくさの風味とマヨネーズのコクを生かした逸品。サラダにはもちろん、肉や魚とも相性抜群で、ムニエルやグリル料理のソース、しゃぶしゃぶのタレなど、いろいろな使い道があります。
お子さんにも人気です。

もう一つが「いくさ味噌」(600円)。「いくさしるこ」のベースとなる甘味噌を再現した商品ですが、山吹味噌の信州味噌㈱さんとジャム等の製造を手がける浅間農園さんの協力で魅力ある商品作りができたそうです。小諸産いくさ100%に 大豆遺伝子組み換えしていない味噌で作り、とろみをつけるための増粘多糖類や化学調味料などの添加物はいっさい加えていません。
最近、東御市あたりでも栽培され始めている、沖縄や鹿児島の伝統野菜で、キク科の葉野菜であるハンダマと、このいくさ味噌をあえたものを食べたことがあったのですが、相性バツグンでした。和え物のほかにも、ふろふき大根、田楽などにも合うし、パンにもいいかもしれません。

「いくさの実」(300円)もパッケージされて販売されています。

抗酸化物質、カリウム、ビタミンB群が豊富な粟(あわ)

雑穀の代表ともいえる粟(あわ)は、明治から昭和初期にかけて、小諸や佐久地方でも多く栽培されていました。
女性の身体に不足しがちな食物繊維と鉄分をお米の3倍ほど含んでいるため、古くから「粟を食べるとお産が軽くなり、お乳の出も良くなる」と言われていました。
また、鉄分のほか、細胞の酸化を抑えガン予防にもなる抗酸化物質、塩分を体外に排出するカリウム、ビタミンB群を豊富に含んでいます。薬膳的には、胃弱・貧血・便秘の改善、美肌・体力回復に効果的とされています。

食ママ倶楽部では、この粟をパフ加工、つまりは、粟を熱して気圧を高め、一気に減圧することで粟の中の水分が膨張し、結果、体積が膨らみ、ふわふわさくさくした食感になる加工、そうそう、あのポン菓子のような加工を加えたものをパッケージし、「あわパフ」(300円)として販売しています。

適度な甘さと昔懐かしい香ばしさが評判を呼び、東京を始めとする県外からの注文が多く入るとのこと。例えば、ヨーグルトに混ぜたら、すごく美味しかったからと定期購入する人がいたり、ほかにも朝食シリアルや牛乳粥、揚げ物に付けて揚げるなどに使われています。
鉄分・ミネラルなどがたっぷりで消化吸収が良いので、介護食、離乳食にも利用されていたり、そうそう、女性の方のダイエットや男性のメタボ対策には打ってつけかもしれませんね。

ほかにも「粟おはぎセット3合入」(550円)は根強い人気があります。うるち米ともち米のブレンド350g+モチ粟100gで、ちょうど3合になっています。おはぎを作ったら、「いくさ味噌」をつけていただけば完璧です!

混合削り節と黒米、赤米、たかきびなどの雑穀食品

地域の食材を使って、さまざまな加工食品を開発する高地さん、ほかにも、まだまだありますが、そこに共通するのは、食材の本来の味を皆に知ってもらいたいという思いです。

例えば、本かつお節・宗田節・さば節の3種をブレンドした混合削り節「混合厚削 」(200g650円)を開発しました。ホンカツオで作る本かつお節は、香りは最高級ですがコクが出ないそうで、その点、さば節は最後のスパイスとしてコクが出るとのこと。宗田節はソウダガツオから作るのですが、味がまろやかになるのだとか。この3種類の相乗効果で美味しい出汁がとれるのです。
この混合削り節でダシをとった蕎麦つゆをいただいたのですが、たしかに磯の香りが広がり、かつ、味はまろやか、後味のエグさがなくて、のどごしスッキリでした。自宅で蕎麦を食べるとき、けっこうお蕎麦自体は、ちょっとお高めの良いお蕎麦を選んだとしても、なかなか蕎麦つゆにまで気を遣わなかったりもしますが、やはり、つゆは大切なんだと思います。

ほかにも「浅間ポンせん(雑穀入)」(350円)は、小諸産のお米をべースに、地元のモチ粟、黒米、たかきびなどをトッピングしています。そのままでも美味しいのですが、スープに浮かべて食べると、これまたGOODなんです。
また、小諸産のモチキビ、モチ粟、黒米、赤米、アマランサスなど、比較的、小粒な雑穀を配合した「小諸産五穀米」(500円)は、雑穀米を食べ慣れてない方にも食べやすくなっています。
さらには、地元の雑穀6種(黒米・赤米・たかきび・もちきび・もちあわ・アマランサス)を美味しくブレンドした「焙煎雑穀ブレンド茶」(300円)や煮干をスキムミルクでからめた「お魚魚ミルク」(350円)も好評。お魚魚ミルクは、煮干のカルシウムとスキムミルクの脂肪の無いカルシウムとがダブルで摂れるのに加え、甘くて美味しいというので、子育て中のお母さん方にも喜ばれています。また、お年寄りの骨粗鬆症予防にもどうぞ。

食ママ倶楽部の商品は、小諸市の停車場ガーデン、あぐりの湯こもろ小諸大橋活性化センター上田市の松尾町フードサロン軽井沢町の旧軽井沢の料理店SINなどで販売されています。(お店によって品揃えが異なります)

そのほかに高地さんは、雑穀料理や地域の食材について広く多くの方に知ってもらおうと各地で食育講座を開催し、日々忙しく精力的に活動をしています。どこかで見かけたら、声をかけてみてくださいね。

 

お店からのヒトコト

今の若い世代の人は、細いけど筋肉がなくて体脂肪率が高い、筋肉で守られていないので骨が弱く折れやすい、また基礎代謝がなく身体が冷たいと言われています。また、カルシウムや鉄分をとっていないので、低血圧で貧血、そして女性は生理不順の方も多いとも聞きます。頭って、脂肪やタンパク質は必要とせず、ブドウ糖しか使わないんです。だからお米などでブドウ糖を吸収していないと、自分の筋肉を壊してブドウ糖に変えて頭に供給することになり、筋肉がなくなるんです。
食について知っていないと、知らないうちに身体の異常をきたしてしまうことになります。食の大切さを、とくに若い皆さんにお伝えしていきたいですね。
食育って、食卓を通しての躾とも言えるのではないでしょうか。

(食ママ倶楽部・高地清美)

eMail shokuikumamakiyomi@yahoo.co.jp
電話番号 090-4361-8900
住所 小諸市大字市367-1