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翁珈琲:自家焙煎コーヒーと温泉まんじゅうの絶妙な組み合わせ。優しい味わいの「フィリピン・コーディ」がオススメ。新鮮な豆で淹れたブレンドと自分焙煎でくつろぎの時間(長野県上田市)

更新: / 公開: 2022年11月24日 / 文責:

国民保養温泉地である長野県の鹿教湯温泉。その温泉街、鹿教湯温泉交流センターへの入口にある「翁珈琲」さんにうかがいました。

大きな木製テーブルと白が基調のモダンな店内で提供していただいたのが、オリジナルの「かけゆブレンド」(470円)。無農薬森林農法(オーガニック)によるフィリピン・コーディとコロンビア・グアテマラスペシャルビーンズをブレンドしたバランスのとれた中煎りのブレンドです。

オーナー店主の生田淳一さんが一緒に出してくださったのが、なんと「温泉まんじゅう」! そう、翁珈琲さんは、創業60年の老舗和菓子店「おきな菓子舗」の店内の一角にあるカフェなんです。看板メニューの「翁まんじゅう」の滑らかで優しい甘さの餡子とほどよい苦味とコクがあるコーヒー、この組み合わせは絶妙です。

■フィリピンの珈琲との出会い
生田さんは、以前、カレーライスの名店と知られた「白扇」(閉店の後、2021年5月に復活)を経営するにあたり、小諸市の老舗珈琲店「丸山珈琲」の丸山健太郎社長からコーヒーの淹れ方を直々に指南されたのがコーヒーとの出会いでした。
さらに、自家焙煎を始めるにあたっては、もう一つの出会いがありました。それは、フィリピンのNGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)」の代表・反町眞理子さんとの出会いでした。

「コーディリエラ」とは、ルソン島北部1,500mの山岳地方のことですが、フィリピンで最も開発の遅れた地域のひとつです。CGNは、この地方の児童労働をなくしたり、環境を改善したり、先住民族の人たちの生活を向上させることを目的に活動しています。その活動の一つに珈琲があって、ここでは、人間や環境への負荷が大きい大規模なプランテーション農法とは違う、人々の生活・健康に優しく、自然環境とともに無農薬で生育する「森林農法」で珈琲を栽培しています。
彼女の崇高な想いに感動した生田さんは、この珈琲「フィリピン・コーディ」を日本に広げようと思い、日本での最初の取り引きを始め、それをきっかけに自家焙煎も始めたのだそうです。
フィリピン・コーディ“ひだまり”」(中煎り・520円)は、とがった特徴はないのですが、バランスの良い優しい味わいです
自家焙煎を始めるにあたっては、菓子店の店舗を改修し、今のカフェコーナーを設けました。

「カフェを作ったのは、お客様にゆっくりしてもらいたかったことと、ここで、お客様同士が交流して、つながってもらえる空間にしたかったからなんです。」(生田さん)

《主なコーヒー》
◆オリジナルブレンドのコーヒー/470円
●かけゆブレンド:バランスの良い中煎り
無農薬森林農法によるフィリピン・コーディとコロンビア・グアテマラスペシャルビーンズをブレンド
●文殊ブレンド:苦味のある中深煎り
スマトラ島のマンデリンを生かした、やわらかい苦味とコク
●薬師ブレンド/朝煎り、酸味のアメリカンタイプ
タンザニアキゴマAA(キリマンジャロ)で、さわやかな酸味をプラス
◆季節のブレンド/520円
生田さんが想う季節のイメージを表現しています。例えば
●夏のブレンド/風さやか
高原に遊ぶ夏の風。さわやかさの向こうにある、やわらかなコクや苦み深みが特徴。
●冬のブレンド/蒼天白岳(アイスピーク)
日本アルプスの白峰の光景をイメージした苦いけどすっきりした余韻の一品。

そのほか、お客様のオーダーを聞いて、オリジナルのブレンドを作ることもあるそう。なので、あまり大きな焙煎機は必要がなく、当初から規模の小さな小回りのきく京都の会社の焙煎機を使っているそうです。

■温泉水と鹿教湯水道の水
メニューに「温泉水コーヒー」(520円)があります。
実は、鹿教湯温泉の温泉水は飲めるのだそうで、飲泉療法にも利用されていますが、その温泉水で淹れたコーヒーなんです。温泉水は硬度があるので、味も硬くなるかと思われがちですが、意外とまろやかな口当たりです。
翁珈琲さんの店頭には、足湯があって、コーヒーを飲みながら、温泉に親しむことができます。

「コーヒーを飲みに来て、できたら温泉にも入ってもらいたいなあという思いがありますね。」(生田さん)

一方、普通のコーヒーは、渋田見山から引いた鹿教湯水道という簡易水道の水を使っています。軟水で、コーヒーや蕎麦に合うそうですが、ここで淹れてもらうコーヒーは、ここならではの味になっています。

■新鮮な豆と自分焙煎
生田さんは、コーヒーを提供するにあたっては「豆の新鮮さ」が一番だと言います。脂の酸化が身体に良くないからで、コーヒー豆もおまんじゅうのようなお菓子と同じような感覚で扱っているそうです。
その新鮮さんをつきつめたとき、生田さんが提案しているのが、お客様自身が焙煎を体験できる「自分de焙煎」(予約制1,500円)。焙煎したてをいただくのですから、それは究極の新鮮ですよね。また、自宅でも焙煎を楽しめる生豆とのセットも販売しているそうです。

「自分で焙煎するなんて、手間暇かかりますよね。でも、生豆と向き合うことが自分と向き合うことになり、くつろぎの中で心が豊かになります。そんな時間を過ごすことが大切なことだと思うんです。そこから、家族の会話が生まれたりもします。」(生田さん)

※温泉街を抜けた広場にある酵素玄米のランチの店「Deear Cafe」(→ コチラは、翁珈琲の姉妹店です。

翁珈琲
  • 【住所】
    • 長野県上田市鹿教湯1428-2
  • 【電話】
    • 0268-44-2503
  • 【営業時間】
    • 9:00~17:00
  • 【定休日】
    • 水曜日
  • 【ホームページ】