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菜食料理 pas à pas(パザパ):繊細で独創的な味わいのランチコースは、洋食の技術が生み出す誰もが楽しめるオリジナルなベジタリアン&ビーガン料理! (長野県御代田町)

更新: / 公開: 2021年10月4日 / 文責:

御代田町役場の向かい側の路地を入って、すぐのところに「菜食料理 pas à pas(パザパ)」さんがあります。迎えてくれたのは、オーナーシェフの五十嵐幸雄さんと早苗さんご夫妻。とっても穏やかで優しそうなお二人です。
いただいたのは月替わりのランチ! 前菜・スープ・メイン・小ご飯・デザート・食後の飲み物、おそうじパンなど全7皿(10品)のコース料理(3,500円税込)です。

1皿目は「いろいろ野菜のテリーヌ、ラタトゥイユとゴーヤのフライ、夕顔とトマト(ジュレ)」。夏野菜14種類をサラダにせず、テリーヌにしてしまうのが五十嵐流。ゼラチンは使わず、積み上げた野菜をプレスして水分を抜いているので、旨味がギュッと濃縮されていて、さらに、火の入れ方を変えているので、それぞれの野菜の食感も楽しめます。冷たいラタトゥイユに温かいゴーヤという独創的な組み合わせは、まさに秀逸です。ジュレは、トマトなのに赤くなくて薄〜い緑。果肉をミキサーにかけ、寒冷紗というガーゼで濾して、果肉と果汁を分けちゃうのだそう。だから、さわやかなトマトの繊細なエッセンスを味わえます。

2皿目は「冷製とうもろこしのスープ」。一見は、よくあるコーンポタージュ。ですが、でも、ぜんぜん違います。さっぱりとなめらかな食感で、まさに、とうもろこしの旨味そのもの。コーンスターチやチキンブイヨンなどは使わず、出汁は昆布だけとのこと。シェフ曰く「ポタージュではありませんスープです」。

3皿目は、メインの「雑穀なすラザニア」。うん、濃厚なボロネーゼソースの美味しいラザニアです。でもでもでも、「雑穀」とあるように、実はソースは挽き肉ではなく、雑穀で作られているんです。

■実は、ベジタリアン&ビーガン料理
ん? でも挽き肉の代わりに雑穀? ここまで、普通に美味しい美味しいとコース料理を食べ進めて来ましたが、ふと、思い出したんです。pas à pasさんが菜食料理の店だったということを。そう、肉、魚、乳製品、卵など“動物性たんぱく質”は一切使用せず、植物性食材のみで作っているんです。つまりは、ベジタリアン&ビーガン料理。でも、そんなことは、まったく感じず、ただただ美味しくいただいていました。

ビーガンの人ももちろん、テーブルを囲む誰しもが一緒に食事を楽しむ、菜食料理なら、それができますよね。(五十嵐シェフ)

そこに運ばれてきたのは4皿目の「玄米豆のカレー」。4種類の自家製の豆とトマトのほか生姜、そしてクミンなどのスパイスをアレンジした味わい深いカレーです。

ところでコースには、「おそうじパン」という名称で、おかわり自由の自家製パンが付いています。そう、文字通り、お皿に残ったソースやスープを拭き取って、おそうじするためのパン。これ、マナー的には良しとされていたりしますが、いざ、するとなると、ちょっと躊躇しちゃいます。なので、こんなネーミングだと、うれしいですよね。美味しいソースを最後まで味わうことができます。

拭き取ってもらえると、皿洗いのときに使う洗剤の量が少なくて済むから、エコでもあるんですよ。(早苗さん)

最後はデザート「ベリーのクラフト&桃甘酒ゼリー」&飲み物でしたが、デザートも含め、コース全体のお皿の盛り付けが、とっても綺麗でまさに絵のようなんです。見た目も美しく、目でも料理を楽しむというこっとも、お店のこだわりなのだそうです。
こうして、コースも終了。もう、満足&満腹です!

■フランス&イタリアンの技術が生み出すオリジナル料理
こんなふうに、旬の食材を魔法のプレートに仕上げてしまう五十嵐シェフなんですが、それもそのはず、シェフは、26年間、軽井沢プリンスホテルの洋食部門に勤めていらっしゃったんです。そこで磨いたフランス&イタリアンの技術とアイデアで、オリジナル料理を考案し、魅力的なメニューを組み立てています。
シェフの退社後、五十嵐さんご夫妻は、自然に負荷をかけない持続可能な暮らしを提唱する「安曇野シャロムヒュッテ」のレストランを担当し、平成29年、自宅を改装して、現在のお店をオープンしました。プリンス時代、アレルギーや宗教上理由などで動物性食材を食べられないお客様に向けた食事を担当したり、シャロムヒュッテでの経験が、今のスタイルにつながっています。

夫が管理職になると、カリカリしている時間が増えたんです。人生の中で、そんな時間を過ごすのって、もったいないですよね。だったら、もっと笑って過ごしたいと思ったんです。(早苗さん)
会社にいると、そこしか世界がないと思いがちですが、実は世界は広くて、いろいろなことができたり、あるいは、するか、しないかの選択も自分で決められるんですよね。(五十嵐シェフ)

プリンスでは、食材はホテルに納入されていましたが、今は、農家さんに直接、あるいは直売所にシェフ自らが出向いて自分の目で確かめて仕入れていて、できるだけオーガニックなものを選んでいるそうです。自身の農園では、豆をはじめとした野菜の栽培もしています。もちろん化学調味料は使っていません。

食材の美味しさを引き出した料理を提供し、さらには店内の雰囲気や盛り付けなどトータルで上質な時間をお届けしたいと思っています。A5ランクの和牛や伊勢海老だけがご馳走ではないんですよね。(五十嵐シェフ)

最後に、店名の pas à pasは、フランス語で「一歩一歩」という意味なのだそう。ご夫婦でスタートしたお店は、お客様との触れ合いと共に一歩一歩、進み始めています。

~五十嵐 幸雄シェフ・プロフィール~
昭和44年、群馬県高崎市生まれ 。平成元年、軽井沢プリンスホテル洋食調理に入社。アレルギーや宗教上など様々な理由で動物性食材を食べられないお客様に向けた食事を担当する中で、菜食料理に興味を持つ。平成27年、同社を退社。同年、「安曇野シャロムヒュッテ」のレストランを夫婦で担当。平成29年、pas à pas をオープン。

◎ディナーのご案内
・Aコース14品 4,800円(税込)
・Bコース10品 3,800円(税込)
☆できるだけ2日前までに予約
◎お弁当のご案内
・「おまかせお弁当」ご飯+メインとおかず5〜6種類(1,200円税込)
・「キーマカレーお弁当」ご飯+キーマカレー+小さめメインとおかず3〜4種類(1,200円税込)
・単品キーマカレー(400円税込)
※ご飯が「玄米ご飯」か「分づき雑穀ご飯」が選べます
☆いずれも前日までに予約
☆受け渡しは11:00〜12:00頃
◎ビーガン・マクロビ・焼き菓子
早苗さんは焼き菓子を作っていて、御代田町のふるさと納税返礼品にもなっていますが、その焼き菓子は、御代田町で化学肥料や農薬を使わないで野菜を育てている「ルーラルファーム」さんのスペルト小麦を使っていますす。

菜食料理 pas à pas(パザパ)
  • 【住所】
    • 長野県御代田町馬瀬口1946-6
  • 【営業時間】
    • ランチ 11:30〜14:30
    • ディナー 17:30〜21:00
  • 【定休日】
    • 木・金曜日(不定休あり)
  • 【電話】
    • 0267-32-5241
  • 【Facebook】
    • https://m.facebook.com/saisyoku.pasapas