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【上田映劇情報】珠玉の手塚ワールド作品5本を集めた『手塚治虫 × 手塚眞 短編アニメ特集』が「週末こども映画館」で開催! 大人一人でも鑑賞OK!! 2/6〜28の週末上映

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上田市の映画館・上田映劇トラゥム・ライゼ(旧でんき館)では、手塚眞監督の最新作『ばるぼら』(→ コチラ)と公開20周年を迎えた『白痴』(→ コチラ)が上映中(〜2月12日)ですが、手塚眞監督といえば、お父さんは、いわずもがなの漫画界の巨匠・手塚治虫氏です。
その手塚治虫氏と手塚眞監督父子によって生み出された珠玉の短編アニメを集めた『手塚治虫 × 手塚眞 短編アニメ特集』が「週末こども映画館」(毎週土・日の午前中限定で上映)で開催されます。
過日、行われた手塚眞監督の取材内容を盛り込んで、ご紹介します。
子どもだけでなく大人も楽しめる内容ですので、子どもさん連れでなくても鑑賞してみてください。

《上映作品》
◎手塚治虫をモデルにしたオリジナルストーリー3部作
手塚治虫の少年期・青年期・壮年期をモデルに、手塚眞監督が企画・脚本のオリジナルストーリー3部作。日頃は、兵庫県宝塚市にある「手塚治虫記念館」でのみ上映されている貴重な作品です。監督や音楽など手塚治虫氏に縁のあるスタッフや、その息子たちによって制作されています。
■『オサムとムサシ』[1994年/日本/18分]
原作・監修:手塚眞/監督:りんたろう/音楽:冨田勲/キャラクターデザイン・作画監督:杉野昭夫/(C)手塚プロダクション
〔作品紹介〕
少年時代の手塚治虫をモデルにした「オサム」と、彼のペンネームの由来ともなった甲虫「ムサシ」の交流を通して、懐かしい自然の美しさが詩情豊かに描かれています。
りんたろう監督は、虫プロダクションの出身で、鉄腕アトムの時代から共に歩んできた、いわば手塚治虫の直系の弟子と言えます。音楽は日本を代表する作曲家・シンセサイザー奏者である冨田勲氏。『リボンの騎士』や『ジャングル大帝』など数々の手塚作品の音楽を担当しました。
■『都会のブッチー』[1995年/日本/13分]
監修・原案:手塚眞/監督:山本暎一/作画監督:杉野昭夫/音楽:谷川賢作/(C)手塚プロダクション
〔作品紹介〕
手塚治虫をモデルにしたと思われる魔法のチョークを持った、絵が上手な少年を主人公にした物語です。孤独な少年ブッチーと、華やかなショーの世界で生きているマーガレットとの出会いと交流。そして魔法のチョークで豊かな自然が描かれていきます。
山本暎一監督も手塚治虫氏と共に『クレオパトラ』『千夜一夜物語』など多くの作品を作ってきました。『ジャングル大帝』の演出は絶賛され、アメリカ映画『ライオンキング』が酷似しているのではという騒動もありました。音楽の谷川賢作氏は、鉄腕アトムの作詞をした谷川俊太郎氏の息子さんです。
■『クミとチューリップ』[2015年/日本/15分]
総監督:手塚眞/監督:吉村文宏/キャラクターデザイン:杉野昭夫/音楽:服部隆之/(C)手塚プロダクション・文化庁アニメミライ2015
〔作品紹介〕
整然と輝く鋼鉄の摩天楼、縦横無尽に交差するハイウェイ、人のサポートをするロボットたち、それがクミの住む世界。そのビルの間の噴水が流れる公園の豊かな草木はすべて人工物であり、飛び交う蝶も流れる水もデジタル映像だったが、その公園に毎日やってきては人造花を描き続ける老人があるとき、人造花の間から奇跡のように息吹いているチューリップの芽を見つけます。一緒にチューリップの成長を見守るクミだったが、ある日……。
若いスタッフを育てるために集め、手塚眞監督自らがメガフォンをとった作品で、音楽担当の服部隆之氏も父は服部克行氏、祖父は服部良一氏です。

◎チャイコフスキーの『交響楽第4番』からイメージされた作品
手塚治虫氏が十数年に渡って構想を暖め企画した作品。チャイコフスキーの『交響楽第4番』からイメージした四つのエピソードのうち、第1楽章と第4楽章は完成したが、2つの楽章を残して手塚治虫氏は他界してしまいます。本来は四つのエピソードを通して、ディズニーからテレビ時代のアニメへと至るアニメーションの歴史そのものを振り返る作品になるはずでした。
■『森の伝説 第一楽章/第四楽章』[1987年/日本/23分] 
原案・構成・キャラクターデザイン:手塚治虫/監督:手塚治虫、宇井孝司/音楽:チャイコフスキー作曲「交響曲第4番.Op.36」/(C)手塚プロダクション
〔作品紹介〕
第一楽章はライオンブックスに発表されたマンガ『モモンガのムサ』のアニメ化。これはアニメの草創期に見られた、動いていない絵を編集の工夫で動いているように感じさせるという手法が用いられています。第四楽章はテレビ風のリミテッド・アニメで描かれた森の破壊者たちがディズニー風のフル・アニメで描かれた森の妖精たちを追い散らして行くという物語。この演出を通してテレビに駆逐されて行く豊かなアニメ芸術の森を描いています。
■『森の伝説 第二楽章』[1987年/日本/12分]
原案・脚本:手塚治虫/監督:手塚眞/キャラクターデザイン・作画監督:杉野昭夫/音楽:チャイコフスキー 交響曲第四番より/(C)手塚プロダクション
〔作品紹介〕
手塚治虫氏が完成できなかった2つの楽章のうちの「第二楽章」を手塚眞氏が監督して完成させました。舞台は森の奥から川の下流に行き着くまで。主役は羽化してから約一日でその命を終わらせるカゲロウのオスとメス、そのほかに蜘蛛とカエル、魚、イタチ等で構成されていて、人間は全く出てきません。スタイル的には、あえて古き良き劇場アニメーションを意識しています。

◆詳しくは上田映劇ホームページ → コチラ

☆手塚治虫・眞父子ののルーツ上田市!
ところで、手塚治虫・眞父子の先祖、手塚家のルーツが上田市だってことはご存知ですか? 上田市の南に「手塚」という地籍がありますが、平安時代末期、そこに居を構えていた手塚太郎金刺光盛とその一族が、手塚家の先祖だとされています。詳しくは改めて。

◉「週末こども映画館」とは…
中学生までの年代の子どもたちを対象とした映劇オリジナルのプログラムです。この年代のうちに鑑賞して欲しい世界の名作映画を新旧問わず選定し、月に1本、週末の午前中限定で上映します。

「手塚治虫×手塚眞 短編アニメ特集」上映
  • 【上映日時】
    • 2021年2月6日(土) 9:30〜10:55・7日(日) 9:45〜11:10
    •            2月13日(土) 9:45〜11:10・14日(日) 9:35〜11:00
    •            2月20日(土) 9:20〜10:45・21日(日) 9:20〜10:45
    •            2月27日(土) 10:00〜11:25・28日(日) 10:00〜11:25
  • 【料金】
    • 高校生以下500円/子ども連れの大人1名1,200円/特別鑑賞料金(一般)1,300円/その他通常通り
  • 【会場】
    • 上田映劇トラゥム・ライゼ(旧でんき館)※長野県上田市中央1-6-13
  • 【問い合わせ】
    • TEL.0268-22-0269