【百余亭お抹茶講座】 お抹茶との美味しいお付き合い<第2回> 「お茶に含まれる成分と効能」
更新:
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公開: 2011年11月18日
( ※ 古い情報です )
/ 文責:
篠原暢夫
上田市の抹茶処「百余亭」さん提供によるお抹茶講座の第2回目です。
今回は、お茶に含まれる成分と多くの効能についてのお話です。
成分
お茶には体によい成分がたくさん。成分を知って栄養バランスもひと工夫!
- お茶の渋みは「カテキン」
おちゃの渋みを作っているのはカテキン。お茶には6種類のカテキンが含まれ、成分全体の8~15%を占めています。 - お茶には「ビタミンA・C・E」
お茶にはニンジンの10倍近くのビタミンA(カロチン)や、ホウレン草の3倍近くのビタミンC、多くのビタミンEなどが含まれています。ただし、AやEは脂溶性のため、お茶の葉をそのまま飲むお抹茶が効果的です。 - 「食物繊維」はお茶でとる
お茶には平均12%の食物繊維が含まれます。ただし、水溶性よりも脂溶性の成分の方が多いのです。そこで、葉を粉末にした抹茶なら両方の食物繊維を摂取することができます。 - 「カフェイン」で疲労回復
カフェインには疲労回復、覚醒効果、大脳刺激、強心作用、利尿作用など優れた働きがあり、お茶の苦味もつくり出しています。 - 虫歯予防に効果がある「フッ素」
フッ素には歯の表面を強くし、虫歯予防に効果があります。また、前述のカテキンも、虫歯のもとになる細菌の増殖と歯垢ができるのを防止します。 - 薬効さまざまな「サポニン」
お茶には漢方薬の主成分のサポニンが含まれており、鎮静、鎮痛、インシュリン作用、中枢神経興奮作用、抗疲労作用、精力増強作用、脂質低下作用、強心作用、血栓予防作用、炎症疾患抑制などの効果があります。 - 新陳代謝に欠かせない「ミネラル」
お茶に含まれるミネラルの半分はカリウムです。また、カルシウムも多く、マンガン、ナトリウムも含まれています。ミネラルは、血液のアルカリ性を保つために重要な栄養素です。 - お茶はノンカロリー、無糖飲料
お茶はノンカロリー飲料。コーヒーや紅茶と大きく違う点は、飲むときにミルクや砂糖を入れないことです。つまり、お茶は理想的なダイエット飲料だということです。
効能
お茶の効能は近年やっと解明されてきました。日頃の健康管理に参考にしてください。
- 緑茶でガンを防いだ事例も
緑茶には、すでに発生したガン細胞の増殖を抑える働きがあるともいわれています。1日に10杯以上飲むと効果的です。 - お茶でアレルギーを抑える
渋み成分のカテキンがアレルギーを抑えると期待されています。ただし、カフェイン同様に胃を刺激する成分でもあるので、適量を毎日こまめに飲みましょう。うがいや皮膚に直接塗っても効果があります。 - ダイエットにはお茶
運動する前のお茶は、カフェインが脂肪を燃焼させ、短時間でダイエット効果が高まります。食後のお茶にも効果があります。 - お茶で美人になる
緑茶の抗酸化成分は、体の内側からメラニン色素の生成を抑え、日焼けを防止して美しい肌を作る働きがあります。 - 老化防止にはお茶が一番
老化は脂質の過酸化によって起こります。お茶には、老化を防止する抗酸化作用をもつ成分であるビタミンC・E、カテキンが含まれています。 - お茶でコレステロールを下げる
カテキンにはコレステロール値の上昇を抑える働きがあり、しかも善玉だけを減少させ、善玉は減らしません。 - 糖尿病に効果がみられるお茶
カテキンには、糖質の消化吸収を遅らせる働きがあり、急激な血糖値の上昇を抑制します。 - お茶で食中毒を防止する
お茶には強い殺菌効果があるため食中毒から身が守られ、腸内のビフィズス菌の活動が活発になって健康な体を保ちます。 - お茶は高血圧を下げる
カテキンには血中物質から血圧上昇物質をつくる酵素の働きを抑える働きがあるので、血圧を下げる作用があります。 - お茶で風邪予防
ビタミンCには疲労回復の効力があり、カフェインは頭痛をやわらげて血行をよくし利尿作用を高める働きがあります。また、カテキンはインフルエンザのウィルスの働きを弱めたりもします。さらに、お茶の持つ抗ヒスタミン作用が喘息や咳に効くので、お茶によるうがいも風邪予防の一つです。 - 飲み過ぎにはお茶が効く
緑茶に含まれるビタミンCがアセトアルデヒドの分解を促進し、カフェインの利尿・強心・覚醒作用の働きで悪酔いを防止することができます。
(参考文献:寺川俊男・著『てん茶に生きる』探究社)