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緑友食堂:消化が良くて栄養価も高い「酵素玄米のベジ・プレート」 & シンプルな味わいの天然酵母パンを癒しの古民家でいただく(長野県軽井沢町)

更新: / 公開: 2020年4月27日 / 文責:

国道18号軽井沢バイパス「塩沢交差点」のすぐ近く。細い路地を入って行くと、木々に囲まれてたたずむ大きな古民家が見えてきます。「緑友荘」の名が付いたその建物は、明治時代の古民家を移築したもの。かつては銀行の保養所でしたが、現在は有志によって大切に管理され、コワーキングスペースなどに活用されています。

2016年、緑友荘の食堂だった場所にオープンしたカフェ&パンの店が「緑友食堂」です。オーナーの長谷川恵美さんが提案するのは、「ココロとカラダがよろこぶ食べ物」。静かな時が流れる空間で、ほっと一息つける癒しのカフェとして人気を集めています。

FOOD(ランチ)— 消化が良く栄養価も高い酵素玄米

緑友食堂では、「酵素玄米」の食事が提供されます。酵素玄米は、炊き上げた玄米を3〜4日間ほど保温し続けたもので、消化が良く、栄養価も高くなります。
ランチは、週替わりの「酵素玄米のベジプレート」(1,500円)。本日いただいたのは、車麩の唐揚げ、切り干し大根のカオポナータ、カブと寒干しワカメの煮物、もちきびポテト、ナメコのアマランサス和え、白菜漬け、サラダ、タクアンのベジタブルなワンプレートに、酵素玄米ご飯&ヒエとカボチャのポタージュが付きます。
そのほかのメニューとして、「フォカッチャ・ベジプレート」(1,500円)もあります。

「現代は、あれがい良い、これが良いと、とにかく食べ過ぎなんですね。実は、むしろ、食べ過ぎずに、そぎ落としたほうが身体には良いんです。特に本来、糖分は穀物のデンプンから吸収して、エネルギーにするものなので、砂糖類は不要なんですね。だから、料理に砂糖は使っていません」(長谷川さん)

 

長谷川さんは、醤油・酢・菜種油などの調味料は、昔ながらの製法で作られたものを厳選。また、ドレッシングやソースは、手間がかかるとしても自家製にこだわっています。

「私は厳格なヴィーガンではないのですが……」と言う長谷川さんですが、玄米や雑穀と出会ったのは10年ほど前。大病を患ったご主人のために食生活を見直す中、つぶつぶ雑穀料理を学んだのが始まりでした。

「玄米や雑穀料理に出会えたことで、身体だけでなく、私の気持ちも変わった。ギクシャクしていた夫との関係も穏やかになりました。身体も心も食べ物からできていることを実感したんです。(長谷川さん)

こうしたご自身の経験が今につながっているのだと思います。

 
緑友食堂さんでは、美味しい天然酵母のパンを作って販売しています。

BREAD(天然酵母パン)— 身体も心も食べ物からできている

食パンは種類も豊富

カフェの一角には15種類ほどの天然酵母を使ったパンが並んでいます。長野県や北海道など国産の小麦と自家製酵母を使い、じっくりと時間をかけて発酵させたパンは味わい深く、消化にも良いと好評です。

「自家製酵母のメインはアコ酵母ですが、ライ麦酵母、季節の果物の酵母など、数種類の天然酵母を使い分けています。毎日食べる食事パンには麹ベースの酵母が日本人には合うと思いますし、ライ麦パンならライ麦酵母が合う。洋食には果物で起こした酵母が合う。そう考えて酵母を使い分けています」(長谷川さん)

パンを焼き始めたのは長谷川さんが20代の頃。天然酵母パンの草分けといわれる矢野さき子さんの教室に通ってパン作りを学び、自宅の小型オーブンで焼き始めました。

ノアレザン

「『食パン』『ノアレザン』『あんぱん』の3つは、25年ほど前から変わらずに焼いているんですよ。」(長谷川さん)

小麦、塩、麹だけで作る食パンは、小麦がふわりと香り、歯ざわりはもっちり。毎日食べても飽きないシンプルな味わいです。

全粒粉で作るノアレザンは、オーガニックレーズン、くるみ、ドライフルーツがぎっしり入り、噛めば噛むほど味わい深く、食べ応えもたっぷり。そして、国産の小豆とオーガニックのきび糖で煮た自家製あんが入ったあんぱんは、やさしい甘さで小豆の美味しさがじんわりと感じられます。

今では、食事パン、ベーグル、スコーン、お惣菜パン、お菓子パン、季節限定のパン…とバリエーションが増え、店頭を賑わしています。

小麦粉と塩と酵母の味わい

「菓子パン以外のパンには砂糖も油脂も入れず、小麦粉と塩と酵母だけ。それでも甘みが出るのは、酵母が働いてくれるから。何も足さない、何も引かない。パンも料理も、そのシンプルさを楽しんでいただけたら、うれしいです」(長谷川さん)

〔主なパンの種類〕食パン・レーズン食パン・カンパーニュ食パン・ライ麦ブレッド・クロワッサン・ベーグル・ハイジの白パン・ノアレザン・ピザベース・テーブルパン・ぶどうパン・あんぱん・チョコクリームパン・おいもパン・スコーン

※パンは通販も行っています。

緑友食堂かていか部

 

長谷川さんは、20代の頃からスウェーデン織りなどの織物・編物に親しみ、30代から40代半ばには軽井沢で輸入服の店を経営していました。転機が訪れたのは45歳のとき。「天然酵母のパン、雑穀料理、機織り、フェルトなど自分ができることを生かして新しいことに挑戦したい」。そう考えたときに出会ったのが、緑友荘の管理人さんでした。試しにパンを焼いて食べてもらったところ大好評で、なんと緑友荘の食堂と1階のスペースを任されることになり、手探りでカフェ&パン店がスタートしたのでした。
こうして、2020年には4年目を迎える緑友食堂。「これからはワークショップやイベントにも力を入れていきたいですね」と今後の想いを語る長谷川さんでした。

そんな長谷川さんの織物・フェルト経験から、実は、緑友食堂には「かていか部」があるんです。 「穀物菜食のお料理教室」、織物・編物・染物のワークショップや展示販売、機織りの体験や教室などなどが実施されています。詳しくはFacebookやリラクオーレで確認してみてくださいね。

お店からヒトコト
樽で仕込む醤油、圧搾絞りで作る菜種油、板麩や車麩など、昔ながらの方法で作っている生産者さんは高齢化が進み、廃業する方も増えています。食材の調達が難しくなるだけでなく、食文化が途絶えてしまうと心配です。 オーガニックの調味料は値段も高いのですが、やはり味がまったく違います。小さな力ですが、お店でが使うことで応援したい。お客様にも料理を通じて、日本の食材や調味料に興味を持ってほしいですね。 店主・長谷川恵美
Tel/Fax 0267-41-0682
住所 長野県北佐久郡軽井沢町長倉727-4
営業時間 11:00~16:00(カフェ)/9:00~16:00(パン販売)
定休日 火・水曜日、冬季不定休
駐車場 15台
webサイト https://www.ryokuyu-shokudo.com