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ナチュラルベーカリーまるた:スーパー・ツルヤに並ぶ添加物不使用の自家製酵母パンは、具材も手づくりの朝焼き「母娘パン」。お取り寄せも(長野県上田市)

更新: / 公開: 2020年2月12日 ( ※ 古い情報です ) / 文責:
ネットショップ:minne / Creema / rebake にてお取り寄せができます。下記の記事の最後にリンクが表記されています。

長野県ではお馴染みのスーパー「ツルヤ」さん。その上田中央店、山口店、かのう店に、自家製酵母と国産小麦を使用し、添加物を使わずに作られた「ナチュラルベーカリーまるた」さんの朝焼きパンが納品されているとお聞きしたので、早速かのう店に行ってみました。
パン販売エリアの一角に、カゴに入ったまるたさんのパンが並んでいます。いわゆるスーパーマーケットに、これほど手の込んだ手づくりパンが売っている様子は、うれしくも不思議なもの。定番の「素精糖クロワッサン」、一番人気だという「ミルクボール」、それと「あんバター」など、いくつかのパンを購入しました。

素精糖クロワッサン

まず「素精糖クロワッサン」を食べて驚いたのが、果物のような味がすることです。聞くと「有機バナナ酵母」を使っているのだとか。クロワッサンというとバターの香りがするサクサクしたパンというイメージがありますが、こちらは生活クラブ生協の「素精糖(さとうきび本来の風味を活かした製法の砂糖)」をおりこんでいることもあって、チーズのようなコクとフルーティな甘みを楽しめる新しい感覚のクロワッサンです。

ミルクボール

通信販売でも人気の「ミルクボール」は、ソフトフランスパンの生地に手づくりミルククリームをたっぷりと挟んだミルクフランス。もちもちと弾力のあるパンを口に入れた瞬間、クリームがサラッと溶けて、口の中に甘みが広がります。この自然な口どけは、添加物やマーガリンが不使用だからこそ。コーヒーやお茶と一緒に食べたいおやつパンです。

あんバター

そして、「あんバター」は、顔を近づけただけで酵母の香りが……(自家製の糀酵母とのこと)。香ばしく少し酸味のある生地、甘さ控えめのあんこ、厚く切られたバターの3点の相性が抜群で、そのままでも、トーストして少しだけバターを溶かしてからでも美味しくいただけました。
そのほか食パン、ピザパン、サンドイッチなどの食事パンや惣菜パンもそろっていて、店頭に並ぶ12時頃以降、早めに行けば豊富な種類から選ぶことができます。どのパンも素材の味や香りが際立っていて風味が豊かです。
このようにまるたさんは、実店舗を持たず、ツルヤなどへの卸しやオンライン販売、イベントへの出店でパンを販売しています。

「母娘パン」のシール

そんなまるたさんでは、パンを膨らませるもとになる酵母に、自然の素材からできる天然酵母(自家製酵母)とイースト(パン酵母)のどちらも使っていて、自家製酵母パンを「母娘パン」として、シールを貼っています。
自家製酵母は、基本となるぶどう酵母のほか有機バナナ、糀、洋ナシ、かりん、さらには自宅で育てたラズベリーなど、旬の素材から様々な酵母を起こしています。実際に食べてみても、酵母によって、パンの香りが異なるので、皆さんも味わってみてください。

自家製の野菜

また、基本的に「母娘パン」は「白砂糖・マーガリン」不使用です。そして、安心安全なパンづくりのために、香麦(北海道産小麦100%の強力粉)、信州上田産の全粒粉、素精糖、真塩・シママース(平釜で煮詰めたミネラル豊富な塩)を使っていて、野菜などは、自宅の庭で育てたものを使うこともあるそうです。

さて、「母娘パン」の名の通り、まるたさんのパンを作っているのは、母の丸田三代子さん・次女の未希さんのお二人。主に、酵母と生地作りを三代子さん、パンの成形と包装・仕分けを未希さんが担当していて、まさに母娘の共同作業でパンづくりが行われています。
その三代子さんがパン作りを始めたのは、今から20年以上前でした。

「長女が幼かったとき、体調を崩して何も食べられなくなってしまったんですが、トーストだけは“おいしい”と言ってくれたんです。その後、お友達から手づくりのバターロールをいただいたときに、“パンって自分でこんなにおいしく作れるんだ!”って感動して。子どもたちのために“私も作りたい!”と思ったんです。」(三代子さん)

ツルヤの一角に

こうして、美味しいパンを食べたいということと、なによりお子さんたちが喜んだことから、自宅のオーブンでパンを焼くようになったとのこと。そして、次第にパンの種類や数が増えてきた頃、三代子さんがツルヤさんで「エバミルクと生クリームの違いは何ですか?」と質問したときに、偶然ツルヤさんが手作りパンを届けてくれるお店を探しているという話になったそうです。ただ、小さなお店の大手スーパーへの出店です。そう簡単に決まった訳ではなく、そこには三代子さんが何枚もの手紙を書いて送るという熱烈なラブコールがありました。何回ものやりとりの結果、2003年に販売が開始されました。そんな運命的な出会いから、もう16年! ツルヤさんとの長いお付き合いが続いているのです。

自家製酵母のパン

「国産小麦」「地元の食材」「化学調味料等無添加」は当初からのこだわりでしたが、「手づくりパンの美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたい」と工夫を続け、パンの種類や味は変わってきました。16年間でいちばん大きかった変化は、自家製酵母のパンを焼くようになったことだそうです。きっかけは、ご近所にある自家製酵母・石窯パンの店「穀蔵」さんのパン。三代子さんはあまりの香りの良さに驚いたそうです。そして、本で勉強したり、他店のパンを食べ比べたりしながら、ほぼ独学で酵母を起こすようになりました。

「酵母をブレンドすると、微妙な分量の違いで香りも膨らみ方も変わるんです。どうやったらもっとうまく発酵するか、色々な方法を試してみています。毎日発見があって、こういう試行錯誤はこれからもずーっと続くと思いますね。」(三代子さん)

「私は、作り方にしても種類にしても、“こうでなければいけないということはない”と思っているんです。色々試してみて、袋を開けた瞬間の香りや食べたときの風味で感動を与えられるようなパンを作っていきたいですね。」(未希さん)

三代子さんがご友人のバターロールや穀蔵さんの自家製酵母パンに感動したように、娘の未希さんは、お母さんが作るパンに感動してきた一人なのでしょう。変化を楽しむ姿勢も母譲りで、母娘で作っていくこれからのまるたさんのパンが楽しみです。
現在ではマルシェや、minne、Creema、rebakeなどのオンラインショップでも販売中。一度食べれば、少し遠くてもツルヤさんへ定期的に足を運びたくなってしまうパン、ぜひお試しください。

  • 〈取扱店〉
    • スーパーマーケット「ツルヤ」の上田中央店・山口店・かのう店(火曜日~土曜日の11:30~12:00時ごろ以降)
    • ネットショップ:minne / Creema / rebake
お店からヒトコト

ツルヤさんに配達に行くと、販売場所の前でパンの到着を待っている方がいらっしゃることがあります。東京のお子さんに送るという方にお会いしたことも。私たちが直接お客さまと接する機会は少ないですが、そんな方々の存在が嬉しく、励みになっています。母娘パンは手間と時間がかかるので大量生産はできませんが、ゆとりを持ちつつ良いパンを作り、それをおいしいと言ってくださる方々がいる、自分にとっての幸せが詰まっているのが、今の生活です。

丸田未希

Tel/Fax 0268-27-6984
住所 長野県上田市住吉1401-10
営業時間 9:00〜17:00
webサイト https://bakerymaruta.jimdofree.com/