ガラス工房 橙 & 橙カフェ:心が鎮まる淡い緑色の「くるみガラス」とレトロな家具が落ち着く古民家カフェ(長野県東御市)
東御市にある海野宿は、江戸時代に栄えた北国街道の宿場町。防火壁である卯建(うだつ)と海野格子が美しい古い街並みが残っています。そんな海野宿の中ほどにあるのが、吹きガラスの工房&ショップ「ガラス工房 橙(だいだい)」さん。お店に入ると、窓から差し込む陽の光に色とりどりの器が輝き、まるで宝石箱のよう。窓の格子越しにのぞく建物の白壁とのコントラストが素敵です。
ふと目にとまったのが淡い緑色のタンブラー。なんだか心がすーっと鎮まって、優しい気持ちになります。この器、東御市特産の胡桃の殻を燃やした灰を混ぜ溶かして作る橙さんオリジナルの「くるみガラス」を使った作品。ガラス工芸作家の寺西将樹さん・真紀子さんご夫妻の手によるものです。
そんなくるみガラスを使った作品でオススメの一つが「野の花こびん」。手のひらサイズの可愛らしい花器です。庭に咲く草花や道端の野草を摘んで、朝の食卓にちょっと飾るだけで、きっと、そこには幸せの時間が流れることでしょう。
工房には、「橙カフェ」が併設されていて、味わい深いコーヒーやチャイ、ブルーベリーやアンズなどの地域食材を使ったケーキなどでくつろぐことができます。工房で作られた食器で出されるので、その使い心地を体感することもできるんです。
そして、ぜひ体験して欲しいのが2階のスペース。古民家の重厚な梁がそのままに、レトロな家具が並ぶ落ち着いた空間は、どこか懐かしく、居心地の良さを感じます。特筆すべきは、BGMがないこと。聞こえて来るのは、眼下の通りから聞こえる足音や人の声だけ。ときには、そんな音さえもなくなることがある、この時が止まったような感覚は、とっても貴重な経験です。
横浜のグラススタジオで働いていた長野県上田市出身の将樹さんと長崎県出身の真紀子さんが結婚。将樹さんの故郷に帰って1999年にオープンさせた工房も20周年になります。
ところで、なぜ店名が「橙」なのかというと、ガラスを溶かす「坩堝(るつぼ)」をのぞくと、橙色をしているからなのだそうです。帰り際に、将樹さんが汗だくでガラスを吹いている作業場を拝見させていただくと……。確かに坩堝は、綺麗な橙色! その深遠な色合いに思わず引き込まれそうになりました。
住所 | 長野県東御市本海野1071-3 |
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営業時間 | 10:00〜17:00 |
定休日 | 火曜日 |
駐車場 | 公共駐車場 |
Website | https://glass-studio-daidai.net |
電話番号 | 0268-64-9847 |