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河瀬直美監督が挑む珠玉のラブストーリー『光』上映中! 劇中映画『その砂の行方』併映 @上田映劇 〜9/21

公開: ( ※ 古い情報です ) / 文責:

上田映劇で、『殯の森』『あん』など世界から注目される河瀬直美監督の最新作『』が上映中です。映画の音声ガイドを手がける女性と視力を失いつつあるカメラマンが織り成す珠玉のラブストーリーです。映画に登場する劇中映画『その砂の行方』も、県内初同時上映!

■光[2017年/日本=フランス/102分]
人生に迷いながら生きてきた女性が、視力を失いゆく天才カメラマンとの出会いを通して変化していく様子を描くラブス
トーリー。カンヌ国際映画祭にて日本人女性監督初の快挙となるエキュメニュカル審査員賞を受賞しました。
〔ストーリー〕
視覚障害者向けに映画の音声ガイドを制作している美佐子(水崎綾女)は、仕事を通じて弱視のカメラマン・雅哉(永瀬正敏)と出会います。雅哉の素っ気ない態度に苛立つ美佐子だったが、彼が撮影した夕日の写真に衝撃を受けます。やがて症状が悪化し、視力を奪われていく雅哉を間近で見つめるうちに、美佐子の中の何かが変わりはじめます。

映画が始まって15分で胸がつまり、映画なのか、存在する人の人生の一瞬をたまたま切り取ったドキュメントなのか中盤あたりでわからなくなっていく。
演技や作りものだと感じさせるものを嫌い、撮影は必ず時系列をなぞって撮る河瀬監督は、この作品でも俳優たちを2週間前から劇中に登場するアパートの一室で生活してもらうなど、演じるのではなく、その役を「生きる」ことを求めたという。
「(映画が持つ)大きな世界を、言葉が小さくしてしまうことほど残念なことはないんです」。美佐子が音声ガイドを付けた映画を見て、全盲の女性が言う言葉には濁りがなく、思わず胸が熱くなった。後で調べると、そのシーンは即興で、全盲の女性は演技ではなく、視覚障がい者の一般の方だった。人が生きてきた人生の厚みが地盤となって生まれる言葉は宝石のようにきらめき、すさまじい強度がある。この映画では、そんな場面がたびたび現れ、これが映画だということを忘れる一瞬が何度もある。
今回の上映では劇中で主人公が音声ガイドをつける映画『その砂の行方』も同時上映される。16分ほどの短い映画の中に、ある意味では『光』よりも強烈に濃縮された人の生きもがく姿が描かれ、美佐子はこの映画のラストシーンにこれ以上ない言葉を添える。この2つの作品は、ぜひスクリーンで光を浴びるようにして観ていただきたい。
——池上幸恵さん(店舗を持たない本屋「mogura books」として上田市を拠点に活動中)

監督・脚本:河瀬直美/出演:永瀬正敏・水崎綾女・神野三鈴・小市慢太郎・藤竜也

詳しくは公式ホームページ → コチラ

■その砂の行方[2017年/日本/16分]
『光』の劇中映画として製作された短編作品。かつてサンドアートで一世を風靡した吉原重三は、年老いた今は妻の時江とともに人里離れた場所で静かに暮らしていた。認知症を患う時江は時々、家を抜け出してしまうが、その度に重三は妻を家に連れ戻していた。しかしある朝、目覚めると家の中に時江の姿がなく……。
監督:河瀬直美/出演:藤竜也・神野三鈴

『光』『その砂の行方』上映
  • 【日程】
    • 2017年9月11日(月)〜21日(木) ※15日は休館日
  • 【時間】
    • 11〜14日①10:30〜12:35 ②15:30〜17:35
    • 16〜18日①13:00〜15:05 ②18:00〜20:05
    • 19〜21日①13:30〜15:35 ②18:30〜20:35
  • 【料金】
    • 一般1,800円/大学生1,500円/小〜高校生1,000円/シニア(60歳以上)1,100円/幼児(3歳以上)900円/レディーズデー(毎週水曜)1,100円/メンズデー(毎週木曜)1,200円
    • ※そのほか各種割引あり・詳しくは → コチラ
  • 【会場】
    • 上田映劇(長野県上田市中央2-12-30)
  • 【上田映劇Facebook】
  • 【問い合わせ】
    • TEL.0268-22-0269