【リラクオーレ通信】スターグリルさん取材こぼれ話1「キノコで一攫千金! 」
公開したばかりのスターグリルのシェフ・内堀篤さんへのインタビュー。キノコに関するそれは、それは楽しいお話をたくさん聞けたのですが、公開できたのはほんの一部。もったいないので、編集日誌で、こぼれ話を2回に分けて紹介しちゃいます。
最初に、誤解があるので、ぜひお知らせしたいということ。それは……
「『明るい色の派手なキノコは毒キノコ』というのは迷信」なのだそうです。
セイヨウタマゴタケは派手な色だけど、優秀な美味しいキノコで、逆に、すごい穏やかな色をしていても、猛毒なキノコもあるとのこと。一つ一つの目利きが大切なんですね。
さて、今回のお話ですが、キノコには大きく2種類あるってご存知ですか?
木と共生しているキノコと、枯れ木などに生えて木を枯らすタイプのものです。
で、木を枯らすタイプには、シイタケとかブナシメジとかヒラタケとかがあって、こちらは、枯れ木などで栽培することができます
一方、木と共生するタイプには、あのマツタケやトリュフなどがあります。何か高いイメージのキノコばかりですよね。それも、そのはず、こちらのタイプは栽培が難しいのです。というか、木と共生しているので、栽培しようと思ったら、森を作るところから始めないといけません。
それは、とても広大な敷地が必要になりますよね。しかも、木の根に菌が寄宿してから、一人前のキノコになるまで7~8年かかります。だから、キノコを栽培するぞと目論んでも、それまで収入がないわけです。それも、自然なものなので、確実とはいえません。もしかしたら菌を植えた、その年に全滅していたということもあるわけです。そんな博打みたいなこと誰もやらない、と思いますよね。ところが!
ヨーロッパでは、トリュフでそれをやっているんです。トリュフの森を作るというトンデモナイことを。なぜかというと、トリュフは価格が高いので商売的に成り立つからなんです。国産の天然マツタケが平均キロ3万円~5万円、10万円なのに対し、トリュフは平均キロ20万円、白トリュフならキロ50万円になるのだとか。一攫千金が狙えるというわけなんです。
だから、競争も激しい! 昔は、トリュフの香りが雄ブタのフェロモンに似ているので、雌ブタにトリュフを掘り起こさせましたが、雌ブタ、はせっかくのトリュフを食べちゃうということで、今は、主に訓練された犬を連れて行きます。
そのトリュフ犬を、ライバルが森に毒を撒いて毒殺するなんて、映画みたいな話もあるし、実は、マフィアもトリュフを採っているのだそうです。それだけ魅力的だということですよね。