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【リラクオーレ通信】佐久間レイさん、佐田詠夢さん、宇井孝司さんによる「声とピアノとアニメーションの三重奏『いつか見る景色』」上演とインタビュー @上田市民会館

更新: / 公開: 2013年5月31日 ( ※ 古い情報です ) / 文責:

報告が遅くなってしまったのですが、先月4月14日(日)、長野県上田市の上田城千本桜まつりにて、10周年記念イベント「アーティスト夜桜スペシャルライブ」が開催されました。

佐久間レイさん
佐久間レイさん
佐田詠夢さん
佐田詠夢さん

宇井孝司さん

そして、そのライブで披露されたのが声とピアノとアニメーションの三重奏『いつか見る景色』」でした。出演は、声優の佐久間レイさん、ピアニストの佐田詠夢さん、映像監督の宇井孝司さんの3人。

佐久間レイさんは、「それいけ!アンパンマン」のバタコさん役の声優さん、「アンパンマンの顔を投げ続けて25年!」とは本人の談。ほかにも、「楽しいムーミン一家」のミイ、「魔女の宅急便」のジジ、「らんま1/2」のシャンプー、「おねがいマイメロディ」のマイメロディなどでお馴染みです。さらには、NHKの「きょうの料理ビギナーズ」の高木ハツ江さんも、実は佐久間さんなんです。

佐田詠夢さんは、言わずと知れた、あのシンガーソングライターさだまさしさんの娘さんです。洗足学園音楽大学を首席卒業後、国内外でピアニストとして活躍し、ウィーンフィルメンバーと室内楽コンサートを行ったり、中部フィルハーモニー交響楽団と共演したりしています。出身は長野県諏訪市で、信州とお茶と犬をこよなく愛しているそうです。お兄さんでTSUKEMENメンバーのヴァイオリ二スト佐田大陸さんとインストユニット“Time”を結成しています。

宇井孝司さんは、監督、演出家、脚本家、音響監督と多才な人。巨匠・手塚治虫氏のもとでアニメーション監督を務めた後、代表作は、テレビシリーズ『タッチ』の演出、監督作品としてテレビシリーズ『ジャングル大帝』、OVA『たれぱんだ』、中編映画『葉っぱのフレディいのちの旅』、映画『ゼノ かぎりなき愛に』、DVD『親鸞さま ねがい そして ひかり』などがあります。

それぞれ活躍の場を異にする3人が、いったい、どんなステージを見せてくれたのでしょか。作品は『いつか見る景色』。原作脚本は佐久間さんでそのお話を聞いた詠夢さんがオリジナルの曲をつけ、さらに、宇井さんが、その印象をアニメーションに起こしています。ステージでは、語りと音楽と映像のコラボレーションによる立体的な世界が広がりました。

お話はというと、東海道新幹線の中、窓の景色を眺めていた主人公の女性に、隣り合わせた年配の女性が話しかけるところから始まります。
大切な人を失い、生きる希望をなくした若い女性と、対照的に朗らかで明るい年配の女性。この二人の共通点は富士山が大好きなこと。車窓に広がる雄大な富士山と、二人が共に訪れたことがあるという滋賀県の渡岸寺観音堂の十一面観音が物語の鍵になっていきます。
格も年齢もまったく違う二人が出会ったのは、果たして偶然なのか……。
悲しくて優しい人間同士のふれあいから始まる不思議な物語。精一杯生きているこの瞬間の積み重ねが人生なのだ、と観終わった後に、清々しい決意を与えてくれる作品です。

佐久間さんのお話……。

『今を生きる、ということがどういうことなのか……。物語には、こんな言葉が出てきます。
「山頂からの一番素晴らしい景色は 登った人にしか見えないの。そこにたどり着くまでのいろんな出来事が重なって 自分に向かって輝いて見える瞬間があるんですって。それは その時のその人にしか見えない景色なのよ」
「だれでも必ず登れる山 それは私の人生って言う山。 立派な山じゃなくていいし、ゆっくりでもいい、たどり着いた場所からは必ず、自分だけの輝く景色が見えるのよ」
「人間ってすごいわね、どんな時でも 希望を持つ力があるのよ。・・いいえ、絶望のなかだからこそ 希望を託すのかもしれないわね」「私たちも 十一面観音とおなじね 心の中にいろんな顔をもっている・・どうしても好きになれない自分もある。でも それでいいのよ 全部含めて自分なんだもの。その中で、どの自分でありたいかは 自分で決められるわけでしょう」
観ている人によって、心にしみる言葉も違います。それは、皆さんの歩んできた人生が違うからです。今の心に響く言葉が違うのもしかり。これもまた「その時のその人にしか見えない景色」ということのようです。
詳しいあらすじは、内緒です。機会がありましたら、どうぞご覧ください』

佐久間さんの語りが紡ぎだす物語に詠夢さんが奏でる調べが重なって心に響き、宇井さんの創り出す映像が、観ている人、それそれの頭の中にインスピレーションとしての像を映してくれます。時間にして、およそ30分。決して長くはない時間なのに、主人公の女性の人生を映し、そこに、観ている自分の人生が重なって、とても大きな時間の流れを感じることができました。

佐久間さんは、ここ数年、昭和の歌と語りでつづる「癒しの音楽温泉ライブ」を定期的に開催していて、毎回、「お湯はないけど、心の芯まで温まる」と好評です(筆者も、その一人)。実は、この『いつか見る風景』のステージを始めるきっかけとなったのが、この温泉ライブだったとのこと。そんな、事の発端のお話や3人の思い、東日本大震災に向き合って考えたことなどをインタビューしていますので、ご覧ください。
3人へのインタビューはこちら

 《3人の今後の主な予定》

6月9日(日) 
和歌山県紀美野町文化センターにて、詠夢さんの生演奏で、佐久間さんが語るコンサートのような講演会。(問い合わせ:紀美野町教育委員会073-489-5915)
6月22日(土) 
愛知県刈谷市総合文化センターで佐久間さんの講演会。タイトル「自分らしく感動する心で歩き出しませんか」。(問い合わせ:刈谷市役所市民活動部地域支援係0566-95-0002)
7月21日(日)
サントリーホール公演『それいけ!オルガン探検隊は宇井監督が構成・演出をしています。
8月18()19() 
南青山マンダラにて、佐久間さんの音楽温泉ライブ
8月24日(土) 
長野県諏訪市文化センターにて、Time[佐田大陸さん・詠夢さん]コンサート。佐久間さんが語りで参加。

今秋公開予定の実写映画『校歌の卒業式』は、宇井監督が脚本・監督を務め、詠夢さんが音楽先生役で、さらに大陸さんも、その兄役で出演されています。もちろん音楽は詠夢さんです。

詳しい情報は、
佐久間レイさんHP:http://www8.ocn.ne.jp/~reisan/
佐田詠夢さんHP:http://www.aimecafe.jp/

【語り&ピアノ、あるいは講演会のご提案】
佐久間さんの語りと詠夢さんのピアノによる物語に関心をいただいた方もいらっしゃると思いますが、長野県内での上演予定は、あまりありません。佐久間さんは、単独での講演会も行っており、声を掛けていただいたところへは、できる限り行きたいとおっしゃっています。
自作のお話には、『いつか見る景色』のほかに、もう一つ、親子の絆を描いた『魔法のかばん』があり、とくに子育て真っ最中のお母さんグループや幼稚園・保育所のPTAの皆さんに元気になってもらえる語りや講演をお届けすることができます。
そんな会の開催を企画してみたいとお考えの方がいらっしゃれば、リラクオーレまでご連絡ください。ご協力をさせていただきます。