【リラクオーレ通信】伝説のバー「ザ・クレードル」のポスター展で、映画や演劇にまつわる数々の貴重な物語に出会いました @ アート・イン・クラフト
東御市八重原にあるアート・イン・クラフトさんで開催されている『伝説のバー「ザ・クレードル」のポスター展』に行って来ました。
六本木にあったバー「ザ・クレードル」、そこのオーナーでママの椎名たか子さんを慕って、日本はもとより、世界中の映画関係者、作家、脚本家、演劇関係、ミュージシャンなどが集いました。「ザ・クレードル」は2007年、惜しまれながら閉店。今回の展覧会は、バーを訪れた文化人に関するポスターに、椎名さん自身がつづったエピソード解説を付け、関係書籍や写真と共に展示されています。同時に、椎名さんのお父さんである青山三郎監督が撮った映画のポスターも展示されています。
ナチュラルなログハウスのアート・イン・クラフトさんのギャラリーに入ると、14枚のポスターが出迎えてくれました。
まず、目に入ったのが、黒澤明監督「影武者」のポスターとフランシス・コッポラ監督の「地獄の黙示録」のポスターです。1980年にカンヌでグランプリをとった影武者、そして、地獄の黙示録は、その前年の1979年に受賞しています。コッポラは常に黒澤監督を尊敬し、影武者の海外版にジョージ・ルーカスと共に製作に参加しています。
そんな師弟のような2人のポスターが、こうして隣り合わせに並んでいる不思議さ、運営の糸みたいなものを感じます。
その隣には、ピーターシェーファー「エクウス」のポスター。そして、そのそばには、シェーファーと椎名さんに挟まれた、有名俳優の若かりし日の写真が飾られています。エクウスが日本で上演されたときに主役の少年を演じた方なのですが、それが誰なのかは、来場されたときのお楽しみ。
最後に、青山三郎監督の作品のポスターをゆっくりと拝見しました。作品は、いずれも昭和初期のものですが、日本の古き映画というよりも、どこかモダンな洋画を思わせるポスターで、とってもオシャレなんです。でも、そのフィルムは現存しておらず、実際の映像を見ることはできないとのこと。本当に残念です。
ギャラリーでは、撮影シーンを記録した数々の写真も展示されているのですが、そこで青山監督の写真発見! それが、かっこいいんですよ。80年前のEXILE! といったところでしょうか。来場したらご覧あれ!!
見終えて、一つ、大きく感じたのは、各ポスターの芸術的なクオリティが高いということ。たかがポスターとあなどるなかれ、作品の真髄を伝えるために製作者が渾身の力を注いでいるからでしょうか、鑑賞作品としても十分に耐えられるものなのです。
そんな作品をじっくり見てもらおうと、開催期間に限りギャラリーは、カフェ「ザ・クレードル」となっていて、コーヒー、紅茶やお菓子がサービスされます。貴重なポスターやそれにまつわる映像や音楽などとともに、ゆっくりお楽しみたいですね。
開催期間は、5月26日(日)までの毎週金・土・日曜日で、時間は午前10時~午後4時です。問い合わせはTEL.0268-67-1450まで。駐車場は、案内に従ってください。
ギャラリー内の「クイーン・ハーベスト」さんでは、手作りジャムを販売していますので、帰りがけにのぞいてみてくださいね。
詳しくは
リラクオーレinformation:http://liracuore.jp/a/4129
ホームページ:http://artincraft.web.fc2.com/cradle_poster/cradle_poster01.html
ブログ:http://blog.goo.ne.jp/fruitsjam