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はじまるカフェ:築100年の古民家をリノベーションしたヴィーガンカフェレストラン。玄米ご飯のカレー&野菜プレートを心安らぐ和モダンな空間で(長野県立科町)

更新: / 公開: 2020年9月29日 / 文責:

立科町の旧中山道芦田宿にある築100年の古民家をリノベーションした素敵な佇まいのお店が「はじまるカフェ」さんです。

上田市の「コラボ食堂」さんや東御市の「まる屋」さんなどでランチを提供していた二川透さんが、待望のお店をオープンさせたのでした。店内は、古民家の歴史の薫りを残しながら、和モダンなテイストがスタイリッシュで心安らぐ空間になっています。特に奥の部屋の襖には町

内の古刹・光徳寺の先代の住職がしたためた書が貼られていて、スッと気が引き締まる感じがしながらも、どこか心に馴染んで落ち着きます。

■ヴィーガン(ビーガン)・ランチ&スイーツ
はじまるカフェさんは、肉や魚、卵、乳製品など動物由来の食材を使わないヴィーガン(ビーガン)カフェレストラン。二川さん自慢の玄米ごはんと地域の野菜などが美味しく、お腹いっぱいになります。
◎「プレミアムビーガンカレー+野菜プレート(角皿)」セット ※玄米ごはん100g900円〜
カレーは、舞茸・人参・玉ねぎを煮込んだスープをベースに、赤ワイン・トマトジュース・甘酒、黒砂糖、にんにく、しょうがなどを合わせています。どこか甘みがあって、でもじんわりと汗がにじむ華やかだけど奥深い味わいです。
角皿は、近隣の有機農家から仕入れた季節の野菜料理の盛り合わせです。今日は、油揚げの黒砂糖煮、ふろふき大根、小松菜のキムチ、豆腐、フライドポテト、大学いも、ニンジンのごま油炒め、サラダ。豆腐は、地元芦田宿にある「阿部豆腐店」のものです。どれもが、どこか懐かしいホッとする味です。
汁が付きますが、味噌汁ではなく、味付けが醤油と甘酒です。※最初の写真
新感覚コロッケ「春巻きコロッケ」のトッピングもできます。マッシュしたじゃがいもと豆乳を醤油と黒砂糖で味付けしたタネを春巻きの皮で揚げています。また、納豆カレーにすることもできます。
◎「野菜プレート(10インチ)」定食 ※玄米ごはん100g 1,000円〜
洋食の世界でテンインチ(10インチ=約25cm)と呼ばれる丸い大皿で提供される野菜プレート。カレーに付く角皿よりボリュームがあります。
◎「基本のめし」(一汁一菜)
玄米飯に、汁、そして「阿部豆腐店」の冷ややっこ、青菜のおひたし、梅干し、昆布の佃煮、さらに明治から伝わる醤油蔵「酢屋茂」のきなり醤油が添えられます。

当店では、すべて圧搾絞り(トランス脂肪酸が生じない)の安心安全な油を使っています。揚げ油は佐久荻原徳雄さんの菜種油、炒め油は創健社の「キャノーラ&べに花一番」、ごま油は竹本油脂の「マルホン圧搾純正胡麻油」、お醤油は芦田宿の老舗・酢屋茂の「きなり醤油」、塩は海水や岩塩を原料とした自然塩、砂糖はてんさい糖と有機黒砂糖です。

【テイクアウトできます!】
ランチメニューはテイクアウトできます! 竹繊維を使った非プラスチックのフードバッグで提供しています。

食後のデザートも、もちろんビーガンスイーツですが、こちらは奥様がご担当です。
《ある日のメニュー》
豆乳とココナッツミルクのブランマンジェ」(250円​)
米粉のトロトロ濃厚チョコレートババロア」(250円)
このほか季節のお菓子があります。この日は、手作りケーキと焼き菓子でしたが、アップルケーキやいちじくのケーキなどのときもあります。

■ハーブティー&白樺茶&コーヒー
《ハーブティー》

ハーブティーは、上田市浦里にある「信州うらさとハーブ園」のハーブティーです。自然の中で無農薬で育てられた約100種類の花やハーブを収穫して、すぐにドライハーブにし、絶妙なバランスでブレンドしているということなので、味に深みを感じます。※400円〜。
注文すると、ガラス製のマグカップに入ったハーブティーが運ばれてきます。これが、と〜ってもキレイなんです。まさにインスタ映え! 普通はティーバッグなので、花と葉をカップに入れて煎じることでカラフルな一杯を提供できるのはココだけなんです!
※カウンターにカップを持っていけば2煎目のお湯を注いでくれますよ〜。
●里山ブレンドティー
桑の葉、ドクダミ、イチョウの葉をメインに、ミント、オレンジピール
●そのほか、
レモングラスブレンドティー/セージブレンドティー/マルベリーブレンドティー/花ブレンド・ローズ/エキナセアブレンドティー/ハイビスカスティー/カモミールブレンドティー
《白樺茶》450
白樺高原の間伐した白樺の葉を手摘みした、さわやかな香りの白樺茶。新陳代謝の促進、生活習慣病の予防、便秘の改善などの効果が期待されます。
《コーヒー》
コーヒーは、 上田市上野の「加藤珈琲室焙煎道場」特製のコーヒーをフレンチプレスでいただきます。300ml(コーヒーカップ1杯と少し)あるので、たっぷり、ゆっくり味わえます。ブレンドコーヒーほか各350円。

「はじまるカフェは、カフェを歓迎する地域の方々や友人・知人のみなさんの大きなご支援をいただいて開業することができました。客席に使用するテーブルや椅子もすべてご寄付いただいたものです。10 年間放置されていたこの建物も含め、忘れられていたものが集まり、再び活躍をはじめた場所。ここはそんなお店です。」(二川さん)

詳しくはホームページ → コチラ

カフェには、立科町の教育者・地質学者で江戸時代末期から明治にかけて生きた保科百助(保科五無斎)氏に関する展示室が併設されています。保科氏は、当時としては、あまりにも異例な部落差別撤廃の実践を試みるなど、長野の怪人とも呼ばれるほどユニークで、重要な人物だとのことです。
そんな展示室を見ていたら、背後から二川さんとお客様の話声が聞こえてきました。「土屋隆夫の記念館を作る……」。えっ? 土屋隆夫!?
土屋隆夫氏といえば、立科町出身者の推理小説作家(1917〜 2011)。My Bestの『危険な童話』ほか『天国は遠すぎる』『影の告発』など、本格的ミステリー&文学的ロマンが漂う作品で、一時期の日本の推理小説界を支えた作家の一人だとされています。が、正直、長野県内では、あまり注目されていないのが残念だったので、その土屋隆夫の記念館という興味深い話に、思わず振り返った私でした。どうも土屋氏が2011年に94歳で亡くなった後、彼の功績をまとめるのなら、今が最後のチャンスだということで、話が盛り上がっていたのだとか。すぐに私も仲間に入れていただきました。
これから、きっと、この「はじまるカフェ」さんが、そんなプロジェクトの舞台になることと思います!

はじまるカフェ
  • 【住所】
    • 長野県立科町芦田2594
  • 【営業時間】
    • 11:00〜20:00(19:00までに入店)
  • 【定休日】
    • 月・火曜日(祝祭日の場合は翌日)
  • 【電話】
    • 090-2339-7502