トップ >

リカーランド現金屋:身体と環境に優しい自然食品、無添加&マクロビオティックな食材、シャンプーなどがそろう酒屋さん。リーズナブルなワインと焼酎量り売り(長野県上田市)

更新: / 公開: 2012年11月6日 ( ※ 古い情報です ) / 文責:

上田市福田の信号の角にあるリカーランド現金屋さんにおじゃましました。店内には、当然のことながら、ビール、ワイン、日本酒、ウイスキーなどがズラリと取りそろえられていて、リーズナブルな価格で販売されています。
そんな中、ふと見ると、レジ近くに何やら人だかりが……。近づいてみると、オニギリの試食をやっています。これはラッキー! 早速いただきました。
用意されていたのは2種類。まずはシンプルな塩むすびです。一口ほおばると、ほんのり甘いご飯粒の間からフワッとやわらかな塩味が広がります。この塩味が、とんがった感じではなく、優しいんです。思わず「うまい!」。
もう一つは、片面にお味噌が塗られたオニギリ。フワ~~ッとお味噌の香りが鼻をくすぐります。口に入れると、これぞ味噌という旨味を感じます。これも、また、ピリピリする感じがなく優しい味です。

でも、なぜにお酒の試飲ではなく、オニギリなのか。さらに、なぜに、こんなに美味しいのかを、社長の奥様の堀内孝恵さんに聞いてみると、
「うちでは、お酒のほかに、化学調味料などを使っていない無添加食品、マクロビオティックな自然食品、それに、安全な石けんやシャンプーなどの日用品も扱っているんです」とのこと。
オニギリに使っていた塩は、「奥能登・海水塩」。直火を当てずに低温でじっくり結晶化させたものだそうです。お味噌は、オーサワジャパンの「有機立科麦みそ」。国内産有機大麦・大豆を使い、人工的な温度調節ではなく、自然の温度のままにじっくりと発酵される天然醸造で作っているとのこと。殺菌目的の酒精や添加物は使っていません。

孝恵さんによれば、まずは、基本の調味料、塩、味噌、醤油、食用油に気を遣うだけでも、安心安全で自然な味わいの美味しい料理を作ることができるとのことです。

例えば、香川県小豆島町にある丸島醤油の「純正醤油こいくち」久司道夫のわかめふりかけ、オーサワジャパンの地粉、自然乾燥の「酵素塩」ムソーの調味料、妖精の森さんの大豆から作ったお肉ソイミート、海の精の「紅玉梅干」みれっとファームの自然食おやつなど全部で200種類くらいの食品、さらに、アヴァロン・オーガニクスのシャンプーやミヨシ石鹸、シャボン玉石けんの製品など50種類の安全な日用品がそろっています。

でもでも、そうは言っても、本業のお酒だって負けてはいません。注目は、店内にドーンと置かれた焼酎の甕! これは本場九州の優秀な蔵元から直送された最高品質の焼酎の量り売り用の甕なのです。福岡県の麦焼酎「どんどこどん」、宮崎県串間の芋焼酎紅芋白麹、熊本県の米焼酎球磨の雫、長野県のそば焼酎信州弐八そばなど20種類ほどを、自分の好きな量だけ買い求めることができます。試飲もできます。

また、ワインは、社長自らが試飲をしセレクトしていて、良質&リーズナブルだと評判。毎日2~3種類の試飲ができます。最近のオススメは、地元・青木村のワイナリー「ファンキーシャトー」のワイン。施肥や農薬は最低限、除草剤は使用しないので安心安全。選果の徹底、自然発酵、無濾過、無清澄を柱に、土地を映し出すようなピュアなワインを作っています。

自然の旨みを凝縮した食品はそれだけで美味しい

先ほどのオニギリを、美味しい、美味しいとパクついていると、孝恵さんが、「ちょっと待っててね」と何か持って来てくださいました。それは、油揚げ煮とワカメスープ。油揚げをいただくと醤油ベースの味付けに旨味が凝縮されていて美味。
「夕べ作ったんだけど、作り方は、とても簡単! 昆布をしいて、お醤油を入れて水を入れて、ちょっと沸かして煮ただけなのよ。で、やっぱり味の決め手は醤油かな~」と孝恵さん。その決め手の醤油とは、香川県小豆島町にある丸島醤油の「純正醤油こいくち」。有機栽培による国産丸大豆を使用し、添加物を一切使用せずに、昔ながらの製法で丹念に時間をかけて製造しているそうです。

ワカメスープは、「久司道夫のわかめふりかけ」で作ったもの。これは、低温製法で作り上げた奥能登海水塩(クソシルト)に、鳴門の渦潮にもまれて育った肉厚なワカメ、さらに、国産の白ゴマをブレンドしたものだそうで、もちろん無添加・無着色。磯の香りがフワッと口の中に広がり、後からやわらかな塩味が追いかけてきて極旨です。これなら、オニギリに混ぜても美味しいだろうな~。

現金屋さんが自然食品を扱い始めたのは10年ぐらい前からだそうです。

「もともと、私の母が着色料や保存料を気にしてはいたんですが、その頃、子どもが太ってきちゃったので、それを改善できるような料理教室を探したら、そこがマクロビオティックだったんです。そう東京のリマ・クッキングスクールまで通ったんですよ。
ご存知のように、マクロが大きな、ビオが生命、ティックが技術。生命を大きな観点から捉えた健康法という意味で、動物性タンパク質や脂肪を減らして穀物、野菜を取りましょうということなんですが、その考え方に共感したんです」

と孝恵さん。

塩でお奨めなのが、もう一つあるとのこと。それは「酵素塩」。天日のみで乾燥させた塩を、ニガリを加えず煮詰めない独自の方法で製品化しているため、まろやかな塩味と旨みがあるそうです。
そして、この塩は、料理の味付けだけでなく、食材のアク抜きができるのだとか。野菜でも肉でも魚でも一定時間、塩水に漬けるとアクが抜け、活き活きとして、素材そのものの特性が引き出されます。

また、最近、人気なのが、大豆で作ったお肉ソイミート。嬬恋村にあるビーガンショップ妖精の森さんの商品ですが、唐揚げ、ひき肉、ハム、ソーセージなど、味や食感はお肉そのもの、それでいて、コレステロールはゼロで、カロリーは通常の半分以下なので、とってもヘルシー。だから、ダイエットを気にする女性や、メタボに悩むお父さん方には打ってつけです。

正面を入って左の奥、一般的な食料品のあるコーナーの一画に自然食品の棚はありますよ。

自然食おやつ&無添加石けんなど身の回りの安心も提供

福島県いわき市で、ノーケミカル、ノーバター、ノーミートのクッキーやパンを作っていた「みれっとファーム」さんが、原発事故を受けて避難をし、信州は八ヶ岳山麓の富士見町に新しい工房を建てて商品の販売を開始したのが今年の6月。早速、現金屋さんでも取扱を始めました。
アーモンドクッキー「花子さん」、カレンズ(山ぶどう)クラッカー「太郎くん」、くるみクッキー「次郎くん」、野ぶどうクラッカー「三郎くん」は、海の精の塩、国産小麦、手絞りの菜種油を使い、素材そのものの甘みと麦芽糖飴、メープルシロップの甘みのみで作った身体に優しいおやつです。
太郎くんを食べてみると、確かに香ばしくしっかりした味のクラッカーに、山ぶどうの自然な風味が相まって、どこか懐かしい味。それに、食べ応えも十分です。

それから、食品のほかにも現金屋さんでは、安全安心の日用品も扱っています。

その一つが、アヴァロン・オーガニクスのシャンプーやボディソープ。オーガニック文化発祥の地であるアメリカ・カリフォルニア州で誕生したブランドで、100%植物成分を使用し、防腐剤や乳化剤、界面活性剤に化学物質は使用しないなど、人と環境に優しい商品作りを徹底しながら、買いやすい価格と使いやすい使用感にこだわっているそうです。

また、良質の脂肪酸によって防腐剤などの添加物を一切、使用しない、環境と身体に優しい石けん作りを25年余り続けているミヨシ石鹸の製品も扱っています。繊維を荒らさないので赤ちゃんの肌着や高級コットンに最適な天然石けん「衣類のせっけん」、石けんカスの発生を抑える成分や洗浄力を高める助材をプラスし、フローラルの香りの「純石けん そよ風」などお洗濯の安心安全も届けています。

ほかにも、無添加石けんの老舗シャボン玉石けんなどの製品が並んでいます。

良質&リーズナブルな品ぞろえ。お薦めはファンキーシャトー

さて、ちょっと気になっていたのが、現金屋という屋号。かなり直接的なので、興味津々、その由来を聞いてみたのですが……。残念ながら、今になっては、よく分からないというのがお答えでした。
というのも、現金屋さんの創業は明治17年頃とのこと。山で作られた炭を売る仲買人から始めて、だんだんとホウキやタワシなどの日用品、タバコ、塩ども扱う地域のよろずやさん的なお店になったそうです。そう、その中にお酒もあったのですが、屋号の由来について知っている人や書かれているものは残っていないのです。
そして、戦後の昭和49年に、お酒の専門店として再スタート。平成2年には、現在の量販店の業態に移行し、現在に至っています。

酒類の仕入れを一手に手がけるのは社長の堀内博光さん。ご自身が大が付くくらいのお酒好きということで、とくに力を入れているワインは、必ず試飲をしてから仕入れを決めているそうです。
「基本は、皆さんに良いお酒を安くお届けしたいということなんですが、そのためには、まずは自分が試して、気に入ったものをご提供するのが一番かと」と堀内さん。
そんな形で仕入れたワインは常に300種類以上、その中心は1,000円~2,000円のリーズナブルなものです。

「高いお金を出せば美味しいワインはいくらもありますが、私としては、もっとワインを身近に感じてもらって、日常のお酒として親しんでもらえればと思うんです。そのために、安くても満足していただけるものを、数多くそろえようと頑張っています。その中から、皆さんのお気に入りの1本と出会っていただけたら、うれしいですね」

ということで、店頭では、いつでも2~3種類のワインが試飲できるようになっているので、じっくり品定めをしてみてくださいね。

取材時に社長から薦められたのは、「ドゥ・シャンスニィ ブリュット エクセレント2003 クレマン・ド・ロワール 」(1,300円)。瓶内二次発酵で造られたフランスのスパークリングワインです。家に帰ってコルクを開け一口。気品のある芳香が口の中で弾け、さわやかな印象ですが、次第に落ち着いたコクのある味わいが広がり、満足しました。

そんな社長が今、注目しているのが地元・青木村のワイナリー「ファンキーシャトー」。ワイン好きが高じて東京から信州へ移住し、ワイン醸造を始めてしまった金橋さんら3人によるワイナリーで、安心安全にこだわり、手摘みで選果を徹底し、長期の自然発酵、新樽熟成をしていて、無濾過、無清澄です。
2012年には3種類のワインを発売しました。上田市産のメルローで造った「Ueda Melrot(上田メルロ)、上田市産の甲斐乙女という品種で造った「Vierge(ヴィエルジュ)」。こちらは好評につき完売。もう1種類の、青木村と近隣市産の巨峰とピノ・グリ種で造った「Gris Gris(グリグリ)」が、かろうじて数本残っているということで、いただいてみました。美しいロゼ色の液体を口に含むと、かなりの甘さを想像していたのとは違い、シャキっとしていて、どこかにほんのり甘さを感じる、大人の味でした。

2012年は、ブドウを買い付けたネゴシアン物でしたが、2013年は、自社栽培・自社醸造のドメーヌ物も発売予定とのこと。いよいよワイナリーとして本格的になっていくということで、堀内社長と一緒に、楽しみにしたいと思います。

好きなお酒を片手に音楽談義もいいかも

さて、現金屋さんのホームページを見てみると、「液体美女のブログ」がリンクされています。このブログは、社長のブログで、その冒頭には「液体美女とはアルコールの意味です」とあります。なるほど、社長のお酒に関わるいろいろな話題が書き込まれているんだなと、のぞいてみると……。
タイトルが「時折聴きたくなるね‥」プロコルハルムのライブ映像だったり、「不思議な感じ」で、エリック・クラプトンのいとしのレイラのジャズバージョン映像だったり、その前もチェット・アトキンスの枯葉の演奏映像と、どれもお酒とは関係のない話題ばかりです。

ふと、ブログテーマ一覧を見ると、音楽(7471)読書・本(54)お酒(27)ワイン(31)日本酒(4)なんです。なんと、お酒関係の話題を合わせた数の120倍が音楽の書き込みなんです。

で、やはり、聞いてみて納得。社長は、学生の頃からマニアと呼べるくらいの音楽ファン。ウン十年にわたって、レコード、そしてCDを聴き続けているのだとか。ブログに出てくるのは、例えばローリングストーンズ、クリーム、キンクス、JJケイル、チャカカーン、ヴァンモリソン、ニナーシモン、ソフトマシーン、ブライアンフェリー、高橋真梨子、西岡恭蔵、キャンディーズなどなど、そのジャンルは、ブリティッシュロックから、アメリカンポップス、アイリッシュトラッド、ブルーグラス、ニューミュージック、歌謡曲、フォークなどなど多岐に渡り、渋いところでは、久保田麻琴と夕焼け楽団(サンディー&ザ・サンセッツ)など、超マニアックな面々も多数掲載されています。

そして、そんな社長のベストアーチストはフランク・ザッパ
「高校の時からずっとファンで、40年近いですね。LPそろえてCD買い直して……。大学の頃に来日していて、大阪の公演の後に付いていったら当人と握手できたんです。その後、息子のドゥウィジールザッパが来日したときにも握手してもらいました。かなりミーハーですね」と、うれしそうに語る堀内社長でした。

一度、ブログをのぞいてみてください。7000もの曲がアーカイブされた(日々、更新されています)、それは、かなり満足のいくミュージック・ライブラリーが堪能できますよ。好きなお酒を片手に聴き入ったり、そうそう社長と音楽談義なんていいかもしれませんね。

そして、やはり、そこはご夫婦、奥様の孝恵さんは音大でピアノを習ってきたクラシック畑の方なんです。
「私は抒情歌とかロシア民謡とかが好きですね」と孝恵さん。
これからも社長との2人3脚が続きそうです。

お店からのヒトコト

最近、健康で安全な食生活を求める多くの皆さんの選択肢の一つとして、ビーガンやベジタリアン、マクロビオティックが注目されています。それらは、私たちの体を汚染やウイルスから守り、環境にも動物たちにも優しい、健康的で栄養豊富な食べ物です。現金屋では、その基本となる食品を数多く取りそろえています。
毎月末の土曜日には、「リカーランド現金屋祭」を開催していて、、ビーガン移動カフェやお花なんでも相談室が開設されています。ぜひ一度、気軽に遊びに来てくださいね。

専務・堀内孝恵

webサイト http://www.myfavorite.bz/genkin/pc/
電話番号 0268-22-5025
住所 〒386-1104 長野県上田市福田32-7
営業時間 9:00~19:00
定休日 元日のみ