【上田映劇情報】権力の闇に迫る女性記者と若手官僚の姿が現実とリンクするサスペンス・エンタテイメント『新聞記者』上映! ラストの言葉の意味は? 8/17〜9/6
上田市の映画館・上田映劇で、今、話題の映画『新聞記者』が上映されています。6月28日の全国公開以来、長野県内ではイオンシネマ松本のみでの上映でしたが、全国ではジワジワと動員数を伸ばし、ついに上田映劇でも上映です(長野松竹相生座、長野ロキシー1・2でも上映中)。
まず、この作品は、純粋に上質なサスペンス・エンタテイメントであります。時の政権がひた隠そうとする権力中枢の闇に迫ろうとする女性記者と若手エリート官僚の姿を、心の声を絞り出すような脚本と一歩前に出るカメラワークで臨場感たっぷりに表現しています。面白い!
でも、その原案が、官房長官の定例会見で厳しい質問をしている東京新聞記者・望月衣塑子さんのベストセラーであり、「首相への“忖度”ではないかとされる加計学園獣医学部問題」「森友学園をめぐる文書改ざんと官僚の自殺」「レイプ事件被害者の会見」などといった現実とリンクする場面の連続に、何か薄ら寒いゾワゾワした感覚を覚えるのです。
一つのエンターテイメント作品ができてしまうほどの現実が厳然とあるということに驚き、メディアの報道の背後には、映画とは異なるにしろ、壮絶な物語があるのだということを思い知らされます。
映画では、父親の死に向き合う記者と、正義と家族との選択にもがく官僚の人間ドラマもしっかりと描かれていますが、女性記者を演じた韓国の女優シム・ウンギョンさんはじめ、俳優陣の演技に引き込まれます。
終盤に田中哲司さん演じる内閣参事官がつぶやく一言「この国の民主主義は……」が衝撃的なのと、松坂桃李さん演じる官僚のラスト場面での一言が何を意味し、この映画から何を感じるのか、あなた自身に考えて欲しいと思います。
■︎『新聞記者』[2019年/日本/カラー/113分]
[解説]
一人の新聞記者の姿を通して報道メディアは権力にどう対峙するのかを問いかける衝撃作。東京新聞記者・望月衣塑子のベストセラー『新聞記者』を“原案”に、政権がひた隠そうとする権力中枢の闇に迫ろうとする女性記者と、理想に燃え公務員の道を選んだある若手エリート官僚との対峙・葛藤を描いたオリジナルストーリー。主演は韓国映画界の至宝 シム・ウンギョンと、人気実力ともNo.1俳優 松坂桃李。
[あらすじ]
東都新聞の記者・吉岡エリカのもとに、医療系大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届く。日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、強い思いを秘めて日本の新聞社で働く彼女は、真相を突き止めるべく調査に乗り出す。一方、内閣情報調査室の官僚・杉原は、現政権に不都合なニュースをコントロールする任務に葛藤していた。そんなある日、杉原は尊敬するかつての上司・神崎と久々に再会するが、神崎はその数日後に投身自殺をしてしまう。真実に迫ろうともがく吉岡と、政権の暗部に気づき選択を迫られる杉原。そんな2人の人生が交差し、ある事実が明らかになる。
出演:シム・ウンギョン、松坂桃李、本田翼、岡山天音、田中哲司/監督:藤井道人/脚本:詩森ろば、高石明彦、藤井道人/原案:望月衣塑子『新聞記者』(角川新書刊)、河村光庸
公式ホームページ → コチラ/上田映劇ホームページ → コチラ
『新聞記者』上映
- 【日程】
- 2019年8月17日(土)〜9月6日(金) ※8月19・26日・9月2日は休館
- 【時間】
- 8月17日:12:00〜13:53
- 18日:15:00〜16:53
- 20〜23日:10:30〜12:23/18:30〜20:23
- 24〜30日:15:00〜16:53/17:05〜18:58
- 31日〜9月6日:10:00〜11:53
- 【料金】
- 一般1,800円/大学生1,500円/小〜高校生1,000円/シニア(60歳以上)1,100円/幼児(3歳以上)900円/レディーズデー(毎週水曜)1,100円/メンズデー(毎週木曜)1,200円/リピーター割引(1,800円か1,500円の半券持参)/夫婦50割(どちらか一名が50歳以上)/ファーストデー(毎月1日)1,100円/障がい者割引(手帳提示)1,000円)
- 【会場】
- 上田映劇(長野県上田市中央2-12-30)
- 【問い合わせ】
- TEL.0268-22-0269