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【上田映劇情報】北欧の少数民族サーミ人の少女が、差別や困難に立ち向かいながら生きる姿を描いた『サーミの血』上映中! 〜12/22

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【上映中の作品】『サーミの血』(〜22日)
北欧の少数民族サーミ人の少女が、差別や困難に立ち向かいながら生きる姿を描いたドラマ『サーミの血』。サーミ人とは、ラップランド地方、いわゆるノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北部とロシアのコラ半島でトナカイを飼い暮らし、フィンランド語に近い独自の言語を持つ先住民族。映画の主な舞台となる1930年代、スウェーデンのサーミ人は他の人種より劣った民族として差別されていました。サーミ人の血を引く監督自らのルーツに迫った渾身の作!
2016年の東京国際映画祭で審査委員特別賞と最優秀女優賞をW受賞、ヴェネツィア国際映画祭新人監督賞受賞。

◾︎サーミの血[2016年/スウェーデン=ノルウェー=デンマーク/サーミ語、スウェーデン語/108分]
監督のアマンダ・シェーネルはサーミ人の血を引いており、自身のルーツをテーマにした短編映画を手がけた後、同じテーマを扱った本作で長編映画デビューを果たしました。主演は、今もノルウェーでトナカイを飼い暮らしているサーミ人のレーネ=セシリア・スパルロク。音楽はデンマークの作曲家クリスチャン・エイドネス・アナスン。
《ストーリー》
1,930年代、スウェーデン北部のラップランドで暮らす先住民族、サーミ人は差別的な扱いを受けていた。サーミ語を禁じられた寄宿学校に通う少女エレ・マリャは成績も良く進学を望んだが、教師は「あなたたちの脳は文明に適応できない」と告げる。そんなある日、エレばスウェーデン人のふりをして忍び込んだ夏祭りで都会的な少年にニクラスと出会い恋に落ちる。トナカイを飼いテントで暮らす生活から何とか抜け出したいと思っていたエレは、彼を頼って街に出る。

美しい刺繍が施されたサーミ族の伝統衣装や、ヨイクと呼ばれる伝統的な歌の静かに強く響く歌声、牧歌的な風景と少年少女のかわいらしさにうっとりとする私を突き飛ばすように、サーミ族の少女エレ・マリャは自分の名を捨て、家族と別れ、伝統衣装を燃やし街に出て行った。
舞台は1,930年代の北欧ラップランド。この頃のスウェーデンは人種生物学の影響を受け、サーミ族を他の人種より劣った人種的特徴を持って生まれてくるものと定義づけた。映画の中でも進学を望んだ主人公エレ・マリャに対して教師が「あなたたちの脳は文明に適応できない」と恐ろしい言葉を告げるシーンがあったりするが、これは大げさなことではなく、当時はそのくらいの強い差別を受けていたのだという。自身もサーミの血を引く監督がこだわったのは、サーミ人の役を本物のサーミ人が演じること。実際この映画の中ではその約束はしっかり守られ、エレ・マリャを演じるレーネは今でもトナカイの放牧をしながら暮らしているサーミ人だ。
泣かせどころやクライマックスがあるというよりは、淡々とエレ・マリャの感情の起伏を描いているこの作品は、アイデンティティである自分の言葉、伝統、文化を消し去って生きるというのは一体誰の人生を生きているのか、という問いを静かに私たち投げかけてくる。(池上幸恵・上田市のブックカフェNABO元店長)

詳しくは公式ホームページ → コチラ

〔今月の表紙〕
上田映劇の情報誌『UEDA MOVIE THEATER JOURNAL』の表紙は、本映画をモチーフにしています。
『「民族の血」というものに、憧れを持ち自分がいる。でも、その血の渦中にいた人たちは、私の想像をはるかに超える差別と抑圧と暴力の中で生きてきて、単純にこのグローバル化した時代に、「文化を残さなければ」などというエゴだけでは語りきれないひとつの歴史を、この映画は突きつけてくる。
中でも民族衣装が持つ意味がとても大きく、ひとりの少女が衣装を脱ぎ捨てたとしても、きっとその色や文様の呪縛からは逃れられないような気がする。アイデンティティとはそういうものだ。そうは言っても、単純にスクリーンに映し出すれる衣装がヨイク(歌)、トナカイの世話をする少女たちの姿はとても美しく、私はその血に憧れるんだと思う。』(デザイン担当なおいさん)

『サーミの血』上映中
  • 【日程】
    • 2017年12月9日(土)〜12月22日(金) ※12月21日は休館日
  • 【時間】
    • 16・17日 ①17:30〜19:15
    • 18日〜20日 ①18:20〜20:05
    • 22日 ①19:00〜20:45
  • 【料金】
    • 一般1,800円/大学生1,500円/小〜高校生1,000円/シニア(60歳以上)1,100円/幼児(3歳以上)900円/レディーズデー(毎週水曜)1,100円/メンズデー(毎週木曜)1,200円/リピーター割引(1,800円か1,500円の半券持参)/夫婦50割(どちらか一名が50歳以上)/ファーストデー(毎月1日)1,100円/障がい者割引(手帳提示)1,000円)
  • 【会場】
    • 上田映劇(長野県上田市中央2-12-30)
  • 【上田映劇Facebook】
  • 【問い合わせ】
    • TEL.0268-22-0269