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やまぼうし自然学校:森での自然体験が創造力を養い、心の成長を育む(長野県菅平高原)

更新: / 公開: 2010年7月23日 ( ※ 古い情報です ) / 文責:
《新型コロナウィルス感染症に伴うお知らせ》 6月25日 方針を更新しましたのでHPご確認下さい。 この度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にて罹患、お亡くなりなられた方、被害に遭われた皆さま、謹んでお見舞い申し上げます。 6/18から県境をまたぐ移動自粛が解除されました。解除されたことを受け、一部業務再開と今後の全面再開のための準備を進めていきます。土日を中心に野外での活動を徐々に始めます。8月には週末親子イベントも予定しております。基本休業としていますが9月には業務再開する予定です。 以下ご確認下さい。 https://www.yamaboushi.org/info/other/21064(長野校) https://www.yamaboushi.org/info/other/21099(東京校)

 

NPO法人「やまぼうし自然学校」は、標高1300mの信州・菅平高原をフィールドに、
“森あそび”と”森まなび”で家族円満、地域円満に!と、さまざまな自然体験のイベントや、指導者養成講座を開催しています。

夏はキャンプ! 木登りや秘密基地づくりなどの森遊び、清流が冷たい渓流探検、
火おこしからはじめるキャンプ料理は、畑のもぎたて野菜を使います。ドラム缶風呂で汗を流したら、火を囲みキャンプファイヤー、寝袋にくるまりテント泊。闇の静寂に包まれ、朝を迎えます。

家族参加型のイベントは、春の「山菜パーティー」や「筍掘り&クッキング」食欲の秋は「炭焼き&ピッツァ」が大人気。雪原のスノーシュー体験や、秋の森散策は、四季を楽しみ体力増強も!
森とともに、大人も子どももひと回りたくましくなれる時間が、ここにあります。

心の成長、3泊4日のキャンプ

冬の体験も楽しい~~
冬の体験も楽しい~~
いい湯だな~
いい湯だな~
炊けたよー
炊けたよー

2000年にNPO化してスタートした「やまぼうし自然学校」。この間、多くの子どもたちを森へ誘い、思い出をたくさん作ってきたそうです。オフィスにおじゃますると、代表の加々美貴代さんが笑顔で迎えてくれました。

夏のメインイベントは、なんといっても3泊4日のキャンプだそうです。初日は、テント泊の準備をして夕食作り。薪で火をおこしたり、ノコギリで竹を切って箸を作ったりします。次の日は、沢に行ったり、森でじっくり過ごす時間を組み立て、最終日には、見つけた木の実のペンダント製作など思い出作りをします。

学校の授業のように、することを決めて、皆でいっせいに行うということはしません。森には興味をひくものがたくさんありますが、それは、子どもたち一人一人で違います。だから、それぞれが興味の向くままに体を動かすことで、次の発見につなげてもらいたいんです。道具などは用意しますが、使い方を教えた後は自由にさせます。すると、自分で遊びを見つけて夢中になるんですね。(加々美さん)

子どもたち一人一人の自主性や心の成長、仲間作りを大切にしているのだそうです。

森の体験 1『遊びを見つけて、創造力、企画力、実行力が養われる』

森の輝き
森の輝き

子どもたちは、潜在的に遊びを見つける、生み出す能力を持っているそうです。ところが、携帯ゲームやテレビゲームは、遊び方が決まっていて、その能力を発揮することはできません。その点、森では、遊び方は無限にあり、それを子どもたちが自分自身で見つけていきます。

その能力はすごいですよ。例えば、木の枝1本を、紐を結び付けてターザンロープにしたり、チャンバラの剣にしたり、秘密基地の土台にしたり、いろいろとイメージが広がるんですね。森は変化しています。前に来たときと同じ枝が落ちているわけではないので、常に新しい素材が、そこにはあるんです。(加々美さん)

遊びを見つけることで、創造力、企画力、実行力が養われるのだそうです。

森の体験 2『森は脳を鍛えて活性化させる』

森の恵み
森の恵み

コンクリートだったら普通に歩けるのに、土だと、足を踏ん張って力を入れないと上手く前に進めないということを子どもたちは実感します。斜面を滑るにしても、滑り台と違って、思わぬ石があったりとか、思わずジャンプしたりとか、何が起こるかわかりません。

安全に配慮され、整備された都会の日常に比べて、森では自分の感覚を研ぎ澄まさないと動けないのです。つまり、森は脳を鍛えて活性化させるのだそうです。「かかとを先にあげると、泥から抜けやすいよ」とは、ある子どものつぶやきです。

森の体験 3『感情のコントロールを覚える』

小さな命
小さな命

森での体験は、当然1人ではなく仲間がいます。仲間とのやりとりの中で、どうしたら、この遊びができあがるのかとか、どうしたら自分の主張を仲間に伝えられるのか、あるいは、自分がちょっと我慢してみたら、思いがけず楽しかったとか、そういうコミュニケーションの大変さとか面白さという感情の起伏、相手を思いやる心が、森での体験では生まれるのだそうです。

そういった感情の動き、感情をコントロールする力が、日常に戻ってからの子どもたちの生活に生きてくるのです。

大人の存在の大切さ

森は大人も楽しい
森は大人も楽しい

森の体験で大切なのが大人の存在だそうです。例えば、子どもたちが面白いと思ったり疑問に感じたりしても、何もしなければそのままで終わってしまいます。そこで、ちょっと大人が、疑問に答えたり、自然の不思議などを伝えることが必要なのだとか。

指導者として頭ごなしに教えるのではなく、子どもが今、何に関心を持ち、何に驚きを感じているのかをつかんで、そこに適切なアドバイスをすることが大切です。それだけ、私たちスタッフの技量も問われることになりますね(笑)。ここには、森での経験が豊富な40人くらいの会員がスタッフとして参加しています。(加々美さん)

普段、子どもたちが接する大人は、教師か親、あるいは買い物に行く店の店員さんぐらい。先生以外の大人にものを教えてもらう経験の少ない子どもたちにとって、自分にない知識や技能を持ったスタッフの存在は、とても魅力的に映るのだそうです。

継続して森に入って四季の違いを知る

森は大人も楽しい
キャンプのごちそう

「森でモリモリ遊び隊」は、地域の子どもたちを対象にしたプログラム。「継続して森に入る機会を作ってもらいたい」との思いから、同一のグループが1年を通して定期的に体験してもらうものです。

四季折々で自然は違った姿を見せます。春に遊んだ森が、冬、雪が積もると、同じ森でもこんなに変化するんだということを体験できるのです。その体験は、近くに住んでいるからこそできるメリット。自治会や育成会などの地元グループの子どもたちに、ぜひ参加してほしいそうです。

最後に、自然学校に参加した子どもたちのご両親から届いた手紙を見せてくださいました。

「目を輝かせて、別人のように帰ってきました。自信がついたようで、その後もとても活発に、いろいろなことに挑戦するようになりました」(東京都・小学3年女児の母)
「自然の中で、体全体を使ってのびのびと活動できたことは、子ども達の生きる力を確実にアップさせていると思います」(名古屋市・小学5年男児の母)

こんな手紙を読むたびに加々美さんは、この仕事のやりがいを感じるのだそうです。

お店からのヒトコト森は身近な所です

日頃、活動をしていて、子どもたちのいろいろな表情を見ると、本当にうれしくなります。森を知らない子どもさんやご両親が、森ってこんなに素敵なところなんだと知るきっかけ作りができたらいいなと思っています。

皆さん、森って遠いと所だと感じていませんか? そんなことは決してありません。休みに家族でどこかへ行こうかと思ったときに、ディズニーランドや動物園だけでなく、森にも遊びに来てみてください。森は楽しく、感動的で、きっと、また行きたいと思ってもらえる体験ができると思います。

そして、そのときのお土産は、「自然を見る目」。自然に溶け込む術を知った子どもは、日常に帰っても、その体験を生かすことができるでしょう。
 森を、あなたのご家族のお気に入りの場所に加えてみませんか?
代表理事・加々美貴代

やまぼうし自然学校
webサイト http://yamaboushi.org/
電話番号 0268-74-2735
住所 〒386-2204 長野県上田市菅平高原1223-5751
営業時間 9:00~18:00
定休日 なし