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丸山珈琲 : 豊かなテロワールから生まれる最高品質のスペシャルティコーヒーを味わう(長野県軽井沢・小諸)

更新: / 公開: 2010年5月17日 ( ※ 古い情報です ) / 文責:

丸山珈琲小諸店に社長の丸山健太郎氏を訪ねました。遠く浅間山を望む店内は広々として明るく、ゆったりとした時間を過ごせます。

オーダーしたのは「インドネシア・スマトラ・マンデリン・アチェ」の深煎り。フレンチプレスで抽出された芳醇な香りと柔らかな風味が、素晴らしきスペシャルティコーヒーの世界に誘います。

コーヒーも、ワインでいうテロワール、つまり、農園のある場所の標高、土壌、気温などが、その美味しさを決めます。丸山社長は自ら世界中を駆け巡り、味を認めた最高品質のコーヒーを生産者や協同組合から直接買い付け、販売・提供をしています。そして、農家の暮らし向上の支援をすることで、信頼関係を築き、安定的な供給を実現しているのです。

本当に美味しいコーヒー、それがスペシャルティコーヒー


グアテマラのコーヒー農園

コーヒーの木

丸山珈琲では、フレンチプレスという、日本では紅茶用として知られている器具を使ってコーヒーを淹れています。丸山社長は、コーヒーカップ片手にニコニコしながら、 「コーヒーの抽出方法にはドリップ式やサイフォン式がありますが、どんな方法で淹れても、美味しいコーヒーは美味しい。だから当店では、いちばん簡単なプレス式を採用しています。コーヒーの味を決めるのは、農園のある場所の標高・土壌・気温・日照・降水量などの自然条件と、収穫方法や収穫後の管理体制です。つまり、いちばん偉いのは私たち販売者やバリスタではなく、農園で働く生産者の方々なんですね。」

コーヒーは、同じ国、同じ地域であっても、ある集落と、谷を一つ越えた別の集落では、まったく味が違うのだそうです。それだけデリケートであり、これまでのブルーマウンテンとかブラジルといった概念では語れない本当に美味しいコーヒーが存在するのだとか。そして、それをスペシャルティコーヒーと呼んでいるのです。

年間150日、本物の味を求めて世界を駆け巡る


海外出張中の丸山社長

ボリビアにて

これまでのコーヒーのビジネスモデルは、いわゆる先進国が、発展途上国に非常に安いコストで作らせたものを大量に輸入し、コマーシャルを流し、たくさん売って儲けるというものでした。「これは公正な取引ではない」と丸山社長は言います。そこでスペシャルティコーヒーの世界では、まずは、彼らと公正な価格で取引をすることから始め、徐々に取引量を増やしていっているそうです。

「2000年ごろから美味しいコーヒーを巡る生産地の争奪戦は起きています。丸山珈琲のライバルになっているアメリカのバイヤーは、年間250~270日間、世界中を飛び回っていますが、私は約150日です。なぜなら、私には家族がいるから。(笑)」と丸山社長。 そうは言っても、年間150日もの間、世界を駆け巡って買い求めてくるコーヒーなのですから、その味は本物。味わい深く、滑らかな舌触りの、まさにスペシャルといえます。

農家の暮らしを支援し、信頼を築いて生まれた最高の味


仲の良いホンジュラスの家族

子どもたちの未来のために

「ホンジュラスに素晴らしいコーヒーを作る農家の集落があるんですが、山奥のその村には電気が来ていません。でも、それぞれの家族は仲良く暮らしています。だから、彼らが不幸だとは言いません。ただ、電気が来れば、もっと幸せになれるはずです。例えば、子どもたちは、昼間は家の手伝いのため勉強ができません。では、夜にしようと思っても、電灯がないので、できないのです。そこで、小さなソーラーパネル1枚を贈ると、それで、裸電球が1個つきます。その灯りで勉強をした子どもたちが有能な人材に育てば、国が発展しますよね」

コーヒー生産者の劣悪な環境を見た丸山社長は、それを改善しなければ良質なコーヒーの安定的な供給はできないと思ったそうです。そこで、農業用機械の支給や保育所・奨学金といった援助など、彼らの生活を支える支援を行っています。先ほどのホンジュラスの村へは、3年間に8回も訪れ、農家の方との信頼関係を築きました。 目の前にある1杯のコーヒーには、そんな丸山社長の熱い思いと生産農家の物語が詰まっているのです。

3つのお店、それぞれの空間で、それぞれの時間を楽しむ

それぞれの空間で、それぞれの時間を楽しむ
左上 : ハルニレテラス店内 / 右上 : 小諸店
左下 : ハルニレテラス店 / 右下 : 小諸店内

いまや「MARUYAMA COFFEE」として世界にその名が知られる丸山珈琲。その原点として約20年に開店した本店は、今も軽井沢南が丘で、静かに時を刻んでいます。2008年にオープンした小諸店は、珈琲豆やデンマークbodum社のグッズなどを扱うショップと焙煎工場を併設していて、開放的な空間は打ち合わせや集い、団欒にと、それぞれの時間に活用されています。

そして、2009年には、中軽井沢にハルニレテラス店がオープンしました。ここは、個性的な本をそろえたブックストアと木立の中のカフェが出会うという新しい空間になっています。また、珈琲豆は、3店舗のほかに、地元のスーパー「ツルヤ」さんでも販売されていますが、その品質の高さと良心的な価格に、売り上げも年々、増加しているのだとか。

さらに今年は、小諸店の店長・中原見英さんが、なんとバリスタの世界一を決める「ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)」の日本大会で優勝するという栄誉に輝きました。

ますます進化を遂げる丸山珈琲! 今後も目が離せません。

お店からのヒトコト

南が丘にお店を出してから約20年。「コーヒーの感動的な美味しさを日本にも伝えたい」と世界を訪ね歩き始めて10年がたちました。ようやく、少しずつ丸山珈琲の味が皆様にも届くようになってきたように思います。

押し車の法則というのがあります。運動場などの地面をならすローラーは、動くまでは相当な力を入れなければなりませんが、少し動き出すと、次第に加速が付き、そのうち、あまり力がいらなくなるというものです。何事も最初は大変な努力が必要で、私も、それなりに頑張ってきました。そして今、少しずつローラーが動き始めたのではないかと感じています。

これからは、現在の環境を維持、充実させながら、さらに美味しいコーヒーを開拓し、そして、その情報がもっと皆様に届くように、メッセージを発信する努力もしていきたいと思います。コーヒーには、まだまだ魅力的な可能性がたくさんあります。大いにご期待ください。
(オーナー・丸山健太郎)

丸山珈琲 軽井沢本店
webサイト http://www.maruyamacoffee.com/
電話番号 0267-42-7655
住所 〒389-0103 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢1154-10
営業時間 10:00~18:00
定休日 火曜日、8月は無休
丸山珈琲 小諸店
webサイト http://www.maruyamacoffee.com/
電話番号 0267-26-5556
住所 〒384-0092 長野県小諸市平原1152-1
営業時間 9:00~20:00
定休日 不定休
丸山珈琲 ハルニレテラス店
webサイト http://www.maruyamacoffee.com/
電話番号 0267-31-0553
住所 〒389-0194 長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉星野ハルニレテラス内
営業時間 8:00~19:00
定休日 不定休
丸山珈琲 リゾナーレ店
webサイト http://www.maruyamacoffee.com/
電話番号 0551-36-6590
住所 〒408-0044 山梨県北杜市小淵沢町129-1 リゾナーレ小淵沢ピーマン通り
営業時間 8:00~19:00
定休日 リゾナーレ施設に準ずる