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まる屋:明神池のほとり、大豆、カボチャ、白土馬鈴薯など地元食材を使った天然酵母&信州産小麦のパンや佐久産ライ麦パンが並ぶ! 日替わりシェフのランチも♪(長野県東御市)

更新: / 公開: 2020年5月7日 / 文責:

東御市八重原台地に広がる芸術むら公園内の明神池のほとりにある可愛らしい木造りのお店が「まる屋」さん。4月中旬~12月中旬の毎週土・日に、地元食材を使った天然酵母パン&ワンデイシェフ(日替わりシェフ)によるランチを提供しています。
ウッディで、どこか懐かしさを感じる店内の中央にあるレトロなショーケースの中には、全30種類ほどの中から10種類ぐらいのパンが並んでいます。


自家製サワー種のライ麦パン

定番の「カンパーニュ」は、香ばしく、しっかりとした味わいです。信州産小麦に自家製酵母の他にホシノ丹沢酵母も使っているので、酸味は抑えられています。塩は「伊豆諸島大島の海の精」、甘みは「ドライフルーツ」または「てんさい糖」を使用。
ライ麦全粒粉から起こした自家製サワー種で発酵させた「ライ麦パン」も、酸味がまろやかで、麦の香りが豊かです。


胡麻プレッツェル

丸プレッツェル(胡麻・チーズ)」は、県産全粒粉を30%入れたドイツのパン。まる屋なので、丸型なのだそうです。
副菜は、県内産の食材にこだわっています。大豆、カボチャ、サツマイモ、白土馬鈴薯、胡麻、小豆、キビ、リンゴ、桑の実、ヨモギ、ソーセージ、卵などなど。地元産以外のドライフルーツ・ナッツは「オーガニック&フェアトレードのもの」使用しています。


豆乳食パン

ふわふわとやわらかく、ほんのり甘い「豆乳食パン」は、農事組合法人「北御牧村味の研究会」で作られた豆乳を練りこんだ、乳製品・卵不使用のミニ食パンです。

林檎とクリームチーズのベーグル」は、八重原産りんごで作ったドライリンゴとクリームチーズが入った、りんごの甘みと濃厚なチーズがマッチした子供から年配のお客さんにも人気です。

ワインブレッド

もう一つ紹介したいのは、「信州ワインブレッド」。長野県産ワインをパン生地に練り込んだ、まさに信州ならではのセミハードのパンで、ワインの風味と干しブドウ・クルミの相性が抜群です。


明神池のほとりにある店舗

〔そのほかの主なパンの種類〕
*さつま芋入り胡麻のカンパーニュ *八重原産よもぎあんぱん *八重原産桑の実パン *北御牧産かぼちゃベーグル・食ぱん  *白土馬鈴薯入りライ麦30%パン  *地元干し柿&クルミのライ麦ぱん  *佐久産ライ麦のかぼちゃの種入りぱん  *北御牧産豆乳のベーグル   *北御牧の小豆ぱん *紫芋あんぱん  *塩バターバゲット *八重原産きび入りシリアルバゲット  *八重原産りんごとシナモンのミニバゲット  *ミルクフランス *あんばたサンド  *黒糖&クルミスコーン *オートミール&夏みかんピールのスコーン  *きたやつハムのソーセージサンド(店舗のみ)*シフォンケーキ(店舗のみ)…etc.

パンは、店舗のほかに、「雷電くるみの里」(東御市)「停車場ガーデン(小諸市)「新鮮市 真田」(上田市)「コメリ東部店」(東御市)でも販売しています。


新島の夏みかんをピールに

まる屋の店主・小林麻美さんは埼玉県杉戸町のご出身。田んぼはあるけど、海も山もない町! とは本人の弁。で、海と山に憧れて育った彼女は、今のご主人に「仕事で新島へ行くけど、ついてきてくれないか?」とのプロポーズにOK! 結婚と同時に、東京から南に約160kmにある離島「新島」に移住。15年間暮らすことになります。決して、海のそばでの暮らしのために結婚したのではないことは本人の名誉のために言っておきますが、ただ、これまでの彼女の人生が、実に多くの人との奇跡的な関わりで紡がれている、その始まりだったことは間違いないでしょう。ご主人との出会いが離島での生活に繋がったわけですが、そのご主人と離島との関わりも、また偶然。たまたま暮らしていたアパートの大家さんが新島の村長さんの知り合いで、島で農業の専門家を探しているときに、ちょうど大学院で農業を学んでいたご主人に話があったというわけなんです。
島内に信号は2つ、コンビニなし、地元のスーパー4店。自給自足に近い生活の中で、島中の皆が顔見知りで、周りにはあふれる自然の中、二人の息子さんたちものびのびと育ったそうです。


ルヴァン信州上田店

そんな中、麻美さんとパンとの出会いが訪れます。実は、ご主人の実家が長野県の佐久市。帰省したときに、たまたま訪れたのが、上田市の「ルヴァン信州上田店」でした。ルヴァンは日本の天然酵母パンのパイオニア的なお店です。もちろん、そのノスタルジックな店の雰囲気やパンの美味しさに感動したんですが、麻美さん、そのパンの味に、どこか懐かしさも感じたんだそうです。なぜか!  実は麻美さん、ルヴァンのオーナーの甲田幹夫さんが学んだという埼玉県北本市のパン店「ノヴァ」のパンを食べて育っていたんです!  その懐かしさと美味しさに魅了された小林さんは、こんなパンを作ってみたい! と思ったそうです。
そこで小林さん、その思いを手紙にしたためて甲田さんに送り、結果、短期での研修の許可がおり、実際は、2週間の研修を2回に分けて行いました。店の裏のアパートを借り、朝から晩まで、みっちりとパン作りを学びました。そして、平成23年に、新島に天然酵母&国産小麦のパン屋「poco a poco(ポコアポコ)」を開業します。


みまきとうふ

そして、3人目の男の子も生まれ、多くの人々との出会いを重ねてきましたが、平成27年春、ご主人の故郷である信州への転居(帰ること)を決めます。そしてまた、ここでも人の縁を感じます。
前出の「北御牧村味の研究会」で働くことになった麻美さん、お豆腐(みまきとうふ)を作ったり、パンを焼く機会ももらったりしていましたが、そんな折、当時は芸術むら公園の管理事務所だった建物を、ぜひ小林さんにパン屋さんとして使ったたらどうかと言ってくれる方が現れ、その方が尽力して、東御市長と小林さんが面会できる機会を設けてくれて、なんと、その建物(現店舗)を借りられることになったのです。

「つくづく、これまでの人生の中での、人との出会いと転機の不思議を感じます。まさに、人に生かされていると思います。」(麻美さん)

こうして、2017年4月に「まる屋」さんはオープンしたのでした。

「パンを焼いていると、いろいろな人と繋がることができる」と麻美さん。地域の人はもとより、遠方のお客様まで、さらには、地域で活動しているシェフの人などとも。
そんな中で麻美さんは、日替わりでシェフの方に腕をふるってもらう「ワンデイシェフ」の形で、ランチの提供を始めます。
《ワンデイシェフ(2019年度)》
はじまるカフェ(ビーガン飯)/りの(玄米菜食)/みさき(季節の家庭薬膳)/ケメケメ(世界を旅する料理)/スリー(インドネシア料理)/マフラージ(アラブ料理・Café)/出張Café 旅する発酵倶楽部(発酵料理)/ワンデイ蕎麦屋

はじまるカフェのランチ
はじまるカフェのランチ

※2019年末に訪ねたときには、「はじまるカフェ」さんのランチ(900円)でした。
〔当日のメニュー:玄米(圧力釜炊き)・湯豆腐のピーナツ里芋の串揚げ・きくいもとひらたけの酒塩炒め・黒糖の大学芋・じゃがいものチリケチャップ炒め・こかぶのゆかり漬け・三色大根の千枚サラダ・白髪ねぎのサラダ・はじまる中華風味噌汁〕

湯豆腐のピーナツは、濃厚だけど甘っとろくなくて美味。里芋の唐揚げが柔らか〜い! 大学いもも、よくあるトンガった甘さでなくマイルド。きくいもとひらたけは、シャキシャキとした食感で、その塩加減がご飯にとっても合うんですが、どの料理も、具材が珍しかったり、その味付けも工夫されていて、なかなか普段は味わえないものばかりで、舌がとっても喜んでいました。

野菜やエノキなどが具沢山の味噌汁は、とっても豊かな味わいなんですが、実は、調味料は使わず、煮崩れしない野菜を2時間コトコト煮込んで、具材のみで旨味を出しているとのこと。食材の力って、すごいですね。

はじまるカフェのシェフ・二川透さんの料理は、食材・調味料すべて動物性のものを使っていないのですが、もう十分に美味しくボリュームがあって、お腹いっぱいで満足満足でした〜。

そのほかのシェフさんも皆、それぞれに魅力的なランチを提供してくれていて、2020年のラインナップがどうなるのか楽しみです。
そのほか、コミュニティの輪が広がることを目指して、芝広場を活用した「青空ヨガ教室」、地域の人のお話会「知恵蔵の時間」、地域のママたちによる「ままマーケット」のほか、様々なワークショップや音楽会などのイベントも開催しています。

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お店からヒトコト
一生懸命に焼いたパンは、自分の分身のような気がします。お店や人を介して食べてくれた方の「あのパン、美味しかったね」なんていう声がどこからか聞こえてくると、嬉しくなります。パン作りって、私にとって自己表現の一つなんです。

店主・小林麻美
Tel/Fax 090-1112-6283
住所 東御市八重原1807
営業時間 10:00〜16:00
営業日 毎週土・日(~6月)・毎週木・土・日(7月~)
冬期休暇 12月中旬〜4月中旬
facebook https://ja-jp.facebook.com/maruya.2016/