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【リラクオーレ通信】バリスタ世界チャンピオンに輝いた丸山珈琲・井崎英典さんが会見。「若い生産者との味の追求が実を結びました。多くの皆様のご支援のおかげです」

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丸山珈琲の井崎英典バリスタが、6月9日~12日にイタリアのリミニで開催された「2014ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)」に日本代表として出場し、50か国以上の参加国の中で、日本人としては初めてとなる「バリスタ世界チャンピオン」に輝いたことはお伝えしましたが、その井崎さんが日本に凱旋帰国して3日後の6月26日(木)に、丸山珈琲社長の丸山健太郎さんとご一緒に、勤め先の小諸店で会見を開きました。

井崎英典バリスタ
井崎英典バリスタ
カプチーノ
カプチーノ
優勝トロフィー
優勝トロフィー
社長の丸山氏(左)と
社長の丸山氏(左)と
世界大会の様子
世界大会の様子

「今回の受賞は、多くの皆さんの支えと協力の結果です。心から感謝しています。大会から2週間がたちますが、実は、まだ世界チャンピオンの実感はないんです。でも、今から、さらなる勉強をして、世界チャンピオンにふさわしい人間になりたいですね」

と井崎さん。

昨年は、世界大会に出場しながら惜しくもセミファイナルに進出できなかったわけですが、その反省を生かしながらの今年は2年目のチャレンジでした。
では、今年はどんな取り組みをしたのか?

まずは、生産国でのコーヒー作りからのスタートでした。そこは、中米コスタリカのモンテ・コペイ。標高1900mと高く高品質なコーヒーができる場所です。

生産者の名前はエンリケ・ナヴァロさん22歳。24歳の井崎バリスタとは同年代の若い生産者です。2年前、生産者の集まりでナヴァロさんと出会った井崎さん。それからFacebookで連絡を取り合う仲になりました。でも、彼は英語ができない、井崎バリスタはスペイン語はわからない、で、Google翻訳でのやり取りを重ねたそうです。
土壌、品種、農園、プロセス、乾燥方法など、多岐に渡り徹底的に議論し合い、どうすればバランスの良いコーヒーを作ることができるのか追求したそうです。

そして、大会前は丸山珈琲も会社を上げて全面的に支援をしたと話す丸山社長。井崎さんをシフトから外して、朝から晩まで練習ができる環境を整えたり、社員たちが審査員になって、本番さながらの練習ができるようにもしたそうです。
前年に世界チャンピオンになったアメリカ人コーチとの味の調整も順調でした。

では、そんな井崎さんがナヴァロさんと創出したコーヒーはどんな味だったのでしょうか。
エスプレッソは、産地の高い標高からくる柑橘系と甘さが特長。陰干しをしたり、日の当て方を工夫したりすることで、豆の水分をゆっくりと減らすスロウドライという乾燥方法で行ったために、さらなる甘さがコーヒーに与えられたそうです。
他方、カプチーノは、ミルクと合う甘さが特長でした。こちらは、ミルクと相性の良いナチュラルプロセスという乾燥方式で、未だかつてない甘さのコーヒーに仕上がったそうです。

大会では、何人かの審査員が井崎バリスタに6点満点を付けました。これはあり得ないほど高得点。井崎さんは、出場者6人中、5番目の出場。最後の人を見る前に満点をつけたのは、「この人をチャンピオンにしたい!」という審査員の明確な意思の表れだったのかと思います。

優勝の瞬間、井崎さんのお母さんは腰を抜かしたそうです。家族全員で会場まで応援に来てくれたナヴァロさんも言葉にならず、審査員の日本関係者も泣いて喜びを表したそうです。

さて、優勝の一報が届いた日本では……。
丸山珈琲小諸店には井崎バリスタ目当てで訪れる人が増え、また、全国から第2第3の井崎さんを目指す若者も集まってきているそうです。
さらに、海外からも「店にある豆全部ください」というような大人買いのお客様がいらっしゃることもあるのだとか。

あなたも、きっと「井崎さんのコーヒーを飲みたい!」と思ったことでしょう。
ということで、井崎バリスタは丸山珈琲各店舗を1年かけて巡回するそうです。スケジュールはこれからということなので、HPなどを要チェックですね。

頂点を極めた井崎さんですが、今後の目標は?

「バイヤーとして社長・丸山の手伝いをしたいですね。生産地で、生産者と一緒にバリスタ視点だからこそわかるコーヒーを研究し、お客様に提供したいです」

とのこと。

さて、まだ24歳と若い井崎バリスタ。順風満帆にここまで来たのでしょうか。
人生を変えたという丸山健太郎氏との出会いとは? 17歳からコーヒー業界に入りサラブレットといわれる訳。世界に通じる流暢な英語はどうやって? 挫折はなかったのか?
次回のリラクオーレ通信では、そんな井崎さんのパーソナルな部分に焦点を当ててお伝えできたらと思います。