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【百余亭お抹茶講座】お抹茶との美味しいお付き合い<第4回> ずいずいずっころばしの秘密!

更新: / 公開: 2012年12月21日 ( ※ 古い情報です ) / 文責:

百余亭のお抹茶講座も第4回ですが、今回は、抹茶の本道からは、ちょっと離れたお話をします。

皆さんは、わらべ唄「ずいずいずっころばし」を知っていますよね。実は、この唄、江戸時代に、宇治茶を将軍家に献上するための『お茶壺道中』の行列の様子を、街道筋の子どもたちが唄ったものだと言われています。この道中は、三代将軍・徳川家光の時代に始まり幕末まで続いたそうです。


♪ずいずいずっころばし♪
   ずいずいずっころばし ごまみそずい
  茶壺に追われて とっぴんしゃん ぬけたらどんどこしょ
  俵のねずみが米食ってチュウ チュウチュウチュウ
  おっとさんが呼んでも、おっかさんが呼んでも
  行きっこなしよ
  井戸のまわりで お茶碗かいたのだぁれ

春、京都の宇治で茶葉の新芽を摘み、蒸して揉まずに乾燥させたものを碾茶(てんちゃ)と言いますが、その碾茶を茶壺(陶器製の壺)に詰めて封印し、夏を越して熟成させます。将軍様専用の茶壺は厳重に扱い、綿入りのふくさに包まれます。
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将軍様献上用の茶壷は、立派な籠に乗せられて、厳重な警備の中、運ばれました。最大で400人を超える行列だったそうです。
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お茶壺道中が通る数日間は、田畑仕事をすることも許されず、街道の掃除が義務付けられていました。切り捨て御免のこの時代、子どもたちは両親に呼ばれても家から出てはならないと教えられ、行列が通り過ぎると、やっと一息つけたそうです。ねずみやお茶碗の音は、家の中でジッとしていたから聞こえたのでしょうね。