トップ >

【リラクオーレ通信】8/11、講演会「子どもたちに残す環境・子どもたちが育つ環境」に参加してきました。

更新: / 公開: 2012年8月23日 ( ※ 古い情報です ) / 文責:

先日、上田市塩田公民館大ホールで行われた「子どもたちに残す環境・子どもたちが育つ環境」というテーマでNPO法人雨読晴耕村舎の後藤雅浩さんのお話を聞いて来ました。

後藤さんは阪神大震災を境に脆弱な都市システムに投資していくありかたに疑問を持たれ、埼玉北部羽生市に移住を決められました。
2000坪の敷地の中にたつ雨読晴耕村舎と名付けられたお屋敷を軸に農場、加工直売所、建築事務所を運営していらっしゃいます。その後十数年にわたって蓄積してきたことを、さらに発展させ社会に還元するような事業を展開していこうと、2011春にNPO法人化されました。今は農場はもちろん、農を暮らしに取り入れる為の講座、食品加工など多岐にわたる活動をされています。

"都市近郊における「農ある暮らし」を提唱し、四季を感じながら自然と共生することの大切さを伝えることで、地球温暖化防止のための低炭素社会や持続可能な循環型社会の実現、そして地域の活性化、食糧自給率の向上に寄与することを目的としています。"(NPO法人のホームページより)


バジルソース

日持ちのする発芽玄米餅

雨読晴耕村舎の活動の幾つかをご紹介します。
 一反の田んぼ、畑で収穫された米や野菜は、加工され週に一度オープンする直売所、糧工房で売りだされます。特に人気なのが、発芽玄米餅と自家栽培のにんにくを使ったバジルソース。両方とも日持ちするように工夫されています。特にお餅は賞味期限が長いので非常時の保存食用にもして欲しいとのことでした、なるほど。他にも糧工房では手作り天然酵母のパンなども販売しています。

また直売所である糧工房の2階をオープンスペースにして講座も開いています。

  • 味噌や堆肥などのお話が聞ける発酵教室
  • 家庭菜園ならぬ家庭稲作講座(大型機械などは使わずに、無農薬栽培するための田んぼの見方、考え方などを学びます。)
    東日本大震災後、化石燃料が無くても取り組める田んぼ、畑作りは重要度が増すと思われます。
  • 修了する頃には小屋が作れるようになる土曜大工講座

他にユニークな取り組みとして、雑草を食べてもらう為、都会と田園を参勤交替するやぎの貸し出しなんていうのもやってらっしゃいます。

またもともと建築の仕事をされており、人間の成長として、0歳~2歳くらいまでの環境がとても大事と感じるので保育園の設計などにも力を入れているそうです。「木のぼりや土手すべりなどさせたくても平野部である埼玉では高低差を人工的に作らないといけないけれど、信州ではちょっと工夫すればいくらでもある」土地の理を生かしてできるこ、とはいろいろありそうです。

埼玉でも比較的緑あふれたその田園地帯にも、開発の波が押し寄せているとのことです。例えば、土地の転用の問題があります。都市計画法が改正され、農地が宅地にあっという間に変わってしまっているそうです。その中でいかに農地を残すようにするのか、これも取り組む課題の一つだそうです。

お話をお聞きして、埼玉という都市圏から60キロ圏内のメリット、デメリットと、信州の置かれている状況は少し違う部分もあるのかなと思いました。信州の良さはその自然の豊かさと都市からの実際的な距離(物理的に守られる部分も大きい)なのではないかなと思います。この信州ならではの恵みや知恵を後世に受け継いでいくことが、持続可能な暮らし方のキーになるのではないかと改めて感じました。